目次
- 1.材料と道具
- 2.作り方
- 3.まとめ
10年に1度ともいわれる厳しい寒さが続く昨今ですが、青果店の瑞々しいイチゴのパックを目にすると季節の移り変わりが感じられます。春はもうすぐそこですね。
今回は大人も子どもも夢中になる、いちごをモチーフにした巾着袋のレシピをご紹介します。直線裁ちと直線縫いだけのシンプルな作り方で、ぷっくりと可愛いシルエットに仕上がりますよ!
材料には手芸店や100円ショップで手軽に購入できる、薄手の綿素材のカットクロスを使用しました。複雑な曲線や小さいパーツがないので、端切れをほとんど残さず作れます。
綿素材の小物にありがちな「洗濯後ヨレヨレに歪む問題」を予防できる、簡単な下準備の方法も合わせてご紹介しています。
ヘタの部分と実の部分を縫い繋げるのがひと手間ですが、イチゴらしさがあふれるポイントになる部分です。ぜひ挑戦してみてくださいね。
・表布 50cm×35cmのカットクロス1枚
・裏布 35cm×35cm程度
・紐通し布 35cm×35cm程度
・薄手の接着芯(表布が厚手の場合は不要)35cm×35cm程度
・生地に合わせた色のミシン糸
・お好みの紐 100cm程度
・ミシン
・ロータリーカッター
・カッターマット
・ステンレス製定規
・裁ちばさみ
・印付け用チャコペン(フリクションなどで代用可)
・紐通し
・まち針
・手縫い針
<裁断の前の下準備>
コットン(綿)やリネン(麻)の布は、濡れると縮む性質があります。縫製後に水洗いをしても縮まないように、裁断の前に下準備をします。
バケツや洗面器に水を張り、1時間から一晩ほど布を浸します。この工程を「水通し」と言います。つけ置き時間は布の厚みによって変わりますが、薄手のカットクロスなら1時間程度。洗剤は必要ありません。色移りの恐れがあるので、色の違う布は別々に浸しましょう。
水に浸した布を軽く脱水し(洗濯機なら1分程度)、布目(布の織り目)をまっすぐに整えながらドライアイロンをかけます。この工程を「地直し」と言います。
全体がしっかり乾くまで陰干しをします。布が湿ったままで切ると裁ちばさみが錆びる原因になりますので、完全に乾いたことを確認してから裁断しましょう。
今回は直線裁ちと直線縫いのレシピなので、裁断する線を布に直接書きます。同じサイズを複数作りたいときは、型紙を作っておくと便利です。
表布の角を利用して、三角に折ります。この三角の頂点から長辺までの長さが、巾着袋の深さになります。
布が縦横まっすぐになるように置き、正方形に切ります。直線に切るときはロータリーカッターが便利です。布用と紙用に分けて使用しましょう。
正方形を開き、対角線を切って直角三角形2つにします。
袋部分の表布2枚が完成しました。布は斜め方向(バイアス)に伸びやすいので、引っ張らないように気を付けて扱いましょう。薄い生地の場合は、裏面にお好みで接着芯を貼ってもよいでしょう。
接着芯は表布より少し大きく用意し、アイロンで接着してから余分を切ると仕上がりがきれいになります。
表布と同じ大きさの裏布を2枚用意します。
紐通し布を2枚切ります。横は三角の長辺より2cm長く、縦は12cmにします。紐通し口2cm、フリル3cmで作ります。フリルの長さや紐の太さに合わせてお好みで調節しましょう。
紐通し布も同じサイズで2枚用意します。
紐通し布の両端を1cmずつ折り、アイロンで押さえます。もう1枚も同様にします。
表を外にして縦半分に折ってアイロンで押さえ、しっかりと折り目を付けます。もう1枚も同様にします。
表布、紐通し布、裏布を繋げます。表布と紐通し布の表側を合わせて重ね、布端から1cmのところを縫います。この縫い目から布端までの1cmの部分を縫い代と言います。縫い始めと縫い終わりは同じ線を重ねるように往復して縫います(返し縫いと言います)。
縫い代を開き、アイロンで押さえます。この工程を「縫い代を割る」と言います。
表布の角の所は縫い代が重なって厚くなるので、三角に切ります。
反対側の辺に裏布を繋げます。表布と紐通し布の表側を合わせて重ね、縫い代を1cmとって縫います。縫い始めと縫い終わりは返し縫いをします。
裏布側の縫い代もアイロンで割り、角を切り落とします。
残りのパーツも同様に縫って繋げます。
2枚の表同士を合わせて重ねます。これを「中表にする」と言います。
袋布(三角の部分)は伸びやすい方向に縫うので、角がずれてしまうことがあります。まずは紐通し布をぴったり合わせましょう。
袋布の底になる部分(画像の点線部分)を、1㎝の縫い代で縫います。裏布には返し口になる部分を10㎝ほど縫わずに空けておきます。縫い始めと縫い終わりは返し縫いをします。
角が合わないときは、縫い代が0.5~1㎝とれるよう出来上がり線(ミシンで縫うところ)を少し内側に修正します。ずれたところは2枚合わせて切っておきます。
このように縫います。
角の縫い代を切ります。
袋布の縫い代をアイロンで割り、しっかりと折って開きます。
フリル部分を縫います。紐通し布を点線で折り、表布と裏布の端を合わせます。
横から見るとこのような形です。
紐通し布の端から2㎝のところを、折り山から3㎝だけ縫います(画像の白い点線のところ)。縫い始めと縫い終わりは返し縫いをします。
このように縫います。反対側も同様に縫います。
裏布に縫い残した返し口から、全体の表裏をひっくり返します。
縫い目の隙間から目打ちを差し込み、角を出します。
一旦裏布を表布に納め、形を整えます。
紐通し部分を縫います。袋布と紐通し布の繋ぎ目から0.2㎝ほど空けて、紐通し布側を縫います(画像の①の線)。そこから1.8㎝空けて、紐通し布の中央寄りを縫います(②の線)。
まず端と端をぴったり合わせ、マチ針またはクリップで留めます。
両端→中央→その間の順番でマチ針を刺します。
縫い始めと縫い終わりはそれぞれ返し縫いをします。目打ちで布を押さえながら、ゆっくり針を進めると歪みにくいです。
裏布を再度引き出し、返し口を縫い閉じます。画像は手縫い(コの字綴じ)で閉じていますが、ミシンで縫っても構いません。
袋部分の裏布を表布に納め、形を整えます。ここまで縫えたら、もう一息です!
紐通し布に合わせて紐を2本切ります。
紐通しを使って両側から紐を通し、端を合わせて結びます。
完成です!開いたときはぺったんこの三角ですが…
紐を引っ張ると…
ぷっくりシルエットのイチゴになりました!
入れ口が大きく開くので、幼いお子様でも出し入れしやすそうです。プレゼントを包むのにも良さそう!
イチゴが旬の季節に、ぜひ作ってみてくださいね。
今回は直線裁ちと直線縫いだけの、いちご巾着の作り方をご紹介しました。シンプルないちご巾着も可愛いですが、持ち手を付けてバッグやポシェットにアレンジしても楽しめます。
裁断前に水通しや地直しをしておくことと一工程ずつしっかりアイロンをかけることが、綿素材の布をきれいに縫うためのポイントです。
縫い代が重なって厚くなるところは、強引に進めると針が曲がったり折れたりする原因になります。縫いにくさを感じたら無理をせず、針を交換したり、手縫いに切り替えることをお勧めします。
イチゴの色に近い布を選べば明るく可愛らしい印象に、モノトーンやボア生地など素材を変えると大人っぽいシックなイメージにも仕上がりますよ。
2種類以上の布を縫い繋げて作るレシピですので、お好みの組み合わせを見つけてみてくださいね。