ハンドメイドアイテムの断捨離のすすめ
基礎テクニック
2023年04月27日

ハンドメイドアイテムの断捨離のすすめ

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「断捨離」や「ミニマリスト」という言葉が流行してから何年も経ちます。その定義や解釈 

のされ方も徐々に広がり、少ないもので暮らすことのメリットも理解されるようになってき 

たと感じられます。断捨離を実行され、ミニマルな暮らしをしていらっしゃる方も少なくな 

いのではないでしょうか。 

 

私もミニマルな暮らしを目指すひとりです。思い起こせば子供が生まれたばかりの頃は家中 

に物が溢れかえり、気が付いた時にはリビングルームは育児用品に占拠されていました。子 

供が歩き出したのをきっかけに、「このままではいけない!」と部屋の片付けを開始。私は 

その過程で「断捨離」という言葉に出会いました。 

 

断捨離に関連する書籍を読み漁り、多くの動画を拝聴し、それらの情報を参考にしながら今 

まで色々な物を手放しました。訪ねて来た家族や友人に「スッキリしてるね!」と褒められ 

るまでに成長したものです。 

 

そんな私でもどうしても捨てられなかったものがあります。ハンドメイド関連のあれこれで 

す。「これだけは聖域だから!」を言い訳にどんどん増やし続けてしまった道具、資材、そ 

して作品。溜まりゆくそれらのアイテムを見て見ぬふりで、どれだけ長いことやり過ごして 

しまったことでしょう。 

 

しかしある日、仕事部屋の物の多さに改めて愕然。所狭しと押し込まれたハンドメイドの資 

材や道具、うずたかく積まれた布地、そして何か月もの間放置されたままの作りかけの作品 

が埃をかぶっているではありませんか。 

 

その頃の私は「これはいつか使えるかもしれない」と小さなボタンやハギレまで大切に取っ 

ておく性格でした。しかし改めて目の前の現実を見て、「こんな場所では素敵な作品は生ま 

れない!」と気が付いたのです。 

 

それから2年。ハンドメイド関連のあれこれを手放した結果、以前とは比べ物にならないく 

らいすっきりとした仕事部屋になりました。その結果、探し物をする手間が減り、制作に取 

り掛かかるまでの時間も大幅に短縮し、合理的な作業環境を整えることができました。リビ 

ングルームに比べるとまだまだ物は多いのですが、今も現在進行形で頑張って減らすように 

心がけています。 

 

世の中には、断捨離について書かれた記事がたくさんあります。しかしハンドメイドにフォ 

ーカスして書かれた物は少ないように感じます。今回は私が日々どのようにハンドメイド関 

連の物に向き合い、考え、手放しているかをご紹介したいと思います。 

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目次

  1. 1.なぜモノが増えるのか
  2. 2.モノを減らすメリット
  3. 3.モノの手放し時
  4. 4.モノの手放し方
  5. 5.モノを手放して変わったこと
  6. 6.まとめ

1.なぜモノが増えるのか

最初は最小限必要な物を揃えて取り組み始めた趣味も、どんどん資材を買い足して知らず知らずのうちに膨大なストックの山ができていた、なんてことがよくあります。なぜそんなに物が増えてしまうのでしょうか。

ハンドメイドアイテムが増えてしまう大きな要因は、好奇心。「これ、何だろう?」、「これがあったら便利だろうな」、「これも試してみたいな」…新しい趣味を始めると、情報量が増して好奇心が刺激されます。そんなワクワクした気持ちに比例するように、趣味で使う物は増えていくのです。

そして成功や失敗を繰り返して多少の慣れが出て自信も持てるようになると、あることに気づきます。適切な道具を使えばより合理的に、より素敵な作品ができるということです。キッチンやバスルームで使うような生活用品でも代用できるけれど、専門のツール類があれば失敗なくスムーズに作業ができることを知り、それが口実となってハンドメイドアイテムの買い物が加速するのもよくあるパターンです。

そして100円ショップの存在も物が増える理由に数えられます。ありがたいことに最近の手芸コーナーは驚くほど品揃えが豊富になり、わざわざ専門のお店に出向かなくてもいつものショッピングのついでに手に取ることができるようになりました。お値段ももちろん手芸店のブランド物より安価です。気軽に手に入れられる分、物は増えやすくなったと言えるでしょう。みなさんも「100円だから」という理由で購入したハンドメイドアイテム、どれくらいお持ちでしょうか。

また、ハンドメイド好きを公言しているとどこからともなく物が集まってくるこはないでしょうか。私も母や祖母から毛糸、刺繍糸、高価な生地などをもらったことがあります。なんと母の友人から着物をいただいたことも!ハンドメイドコミュニティの人々の「楽しみをシェアしたい」というフレンドリーさと気前の良さが手伝ってどんどんと物が集まってきます。無料で上質な素材がいただけるのはとて
もありがたいのですが、これも物が増える一因であることは事実です。

そして物が増える理由のもうひとつは、ハンドメイド用品ならではの手放しにくさ。「いつかどこかで使うかもしれない」と思うと小さなハギレやリボンさえ捨てられません。実際に出番がなければ潔く手放そうと思えるのですが、ごくまれに予期せぬ場面で役に立つことがあるんですよね。この時の「ああ、とっておいてよかった!」というポジティブな経験がますます手放しにくさに拍車を掛けるのです。

さらに幸か不幸かハンドメイド関連の色々は基本的に小さいものが多く、ちょっとした隙間に収納できてしまうのも手放しにくい要因です。「収納場所を取らないから、まあいいか」なんて軽い気持ちで仕舞い込み、そのうち存在すら忘れてしまいます。そして知らず知らずのうちに物で溢れかえってしまうという構図です。

2.モノを減らすメリット

今振り返って考えてみると、増え続ける物に囲まれていた頃は色々なデメリットがあったように感じます。一番損をしていたと感じるのは、時間の無駄遣いと不必要な誘惑との戦いです。

あまりにも点数が多く自分の所有物の所在地をすべて把握し切れていないため、目的のアイテムに辿り着くまでに時間がかかってしまいます。「あの箱の中だったかな」、「いや、このあいだ引き出しの奥で見たような…」と憶測と記憶を辿って小さな小さなアイテムを探すことからその日のハインドメイドタイムが始まるのですから。

さらに探す途中で他のアイテムに気を取られてしまうことも。「作りかけのこれをいつか完成させなければ」、「全然売れないこれ、どうしようかなぁ」、「このリボンかわいい、どこかに使えないかな」と脱線してさらなる時間の無駄遣い。誘惑に打ち勝って目当てのものを見つけ出し、早く取り掛からないといけません。でも最悪の場合、他の作業に着手してしまうなんていうこともあり得ます。

これらのデメリットは、物を減らすことによって改善されます。物の数を減らし全ての所在を把握していれば、時間をかけずに目的のアイテムをさっと取り出してすぐに制作に取り掛かることができます。寄り道をしなくて済むので、他の素材や未完成の作品からの誘惑もありません。思い立った時の高いモチベーションのままハンドメイドタイムに突入すれば、必然とアイデアも浮かび素敵な作品に繋がることでしょう。

3.モノの手放し時

手放すことのメリットが分かれば、さっそく実行!でも次の難関は、「手放し時」の見極め方。ベビー用品は子供の成長とともに使わなくなる時期が来るので、手放し時も明確です。キッチン用品や生活雑貨も消耗が目で見て分かることが多く、また、出番が少なくなればそれが手放し時のサインです。

しかし、確実に要らなくなったと判断が付くベビー用品や生活雑貨と違いハンドメイド関連の材料や道具はどうでしょうか。ちょっと見渡しただけでも10年選手、20年選手が目立ちます。そう、手芸用品には長く使える物が大変多いのです。しかも比較的小さい物が多いので、収納場所を理由に捨てることはありません。明確な手放し時がないので、自分で決めないと物は増える一方なのです。

私が手放し時の基準にしている条件は2つ。「今現在使っておらず過去1年以上使わなかったモノ」と「今後すぐに使う予定がないモノ」。この2つの条件に当てはまったら「手放し時」としています。さっそくご自分のクローゼットや引き出しの中を見てみましょう。

4.モノの手放し方

手放し時の条件に当てはまったハンドメイドアイテムのあれこれ。どれくらい集まりましたでしょうか。手放すアイテムが決まれば、次はその方法です。私は主に3種類の方法で手放しています。

その1 「売る」

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たくさんあって使い切れないけど、捨てるのはもったいない!そんな時にまず思いつくのは「売る」という方法ではないでしょうか。

昨今、SDGsという言葉をテレビやニュースで耳にする機会が増えました。目標12「つくる責任・つかう責任」のカギを握る3Rのひとつに、リユースがあります。ハンドメイド用品もいわば資源。限りある資源を循環させることで、SDGsの目標達成に貢献できるのではないでしょうか。今は気軽に不要なものを売ることができる便利なフリマアプリがあるので、思い切って出品してみましょう!

ただしここで重要なのは、必要以上に利益を求めないこと。「高かったから」、「元を取らなければ」と欲を張ると、売れるまでに時間と労力が必要になります。いつまでも在庫が積まれているのでは、思い切って断捨離を決める前と物の量は変わりません。「誰かに使ってもらえればうれしい!」、「捨てるよりはマシ!」くらいの思い切った気持ちで売ってしまいましょう。

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その2 「ゆずる」

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次は「ゆずる」という方法です。これも環境にやさしいエコな方法です。ただしこれの難しいところは、周りに使ってくれそうな方がいることが前提ということです。決して押しつけにならないように、もしその方が要らないと判断した時の断りやすさも事前に考える必要があります。ゆずる相手には家族のような親しい関係性が必要になるかも知れませんね。

その3 「捨てる」

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「売る」のも「ゆずる」のもできない場合は、「捨てる」という選択があります。しかし言うは易し。簡単に「捨てる」と決めてもこれは本当に辛い作業です。だって対象となるのは気に入って購入したまだまだ使える資材や頑張って作った自分の作品ですから!それらを捨てるとなると、言葉では表現しにくい感情が溢れてきます。もったいなさや罪悪感、せっかく作ったのに…とセンチメンタルになるのも当然のことでしょう。

けれどももう一度よく考えてみましょう。その在庫はあなたにとって本当に必要で大切なものでしょうか?未来の自分にとって、それは取っておくべきものでしょうか?

葛藤が生まれたら、自問自答します。誰かに「お金を払うからそれを売ってください」と言われた時、何と答えますか?「いいよ、お金は要らないからあげるよ」。もしもそんな回答が頭に浮かんだら、それはもう自分にとって必要のない物なのかもしれません。

部屋のスペースは限られています。古いものを捨てなければ、新しいものは入ってきません。在庫管理よりもこれからの新しい作品作りに時間と労力を使いませんか? こちらは私が最近手放したものの例です。どちらも埃をかぶって放置されているのを見て見ぬふりをしていました。長くそこにあると部屋の風景に溶け込んで気が付きにくくなってしまいます。みなさんもぜひご自身の周りを改めて見渡してみてはいかがでしょうか。

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5.モノを手放して変わったこと

ハンドメイド関連のあれこれを手放してから、様々な変化がありました。必要なアイテムをさっと取り出してすぐに作業に取り掛かることができるようになったのが最大のメリットですが、もうひとつ同じくらいインパクトの大きい変化が起こりました。それは買い物に対する意識の改革です。

手放すときの苦しみ、特に捨てる時の辛さを味わうと、否が応にも買い物に対して慎重になります。そもそも要らなくなる可能性があるものを買わなければ、物を手放す必要がなくなると気付いたのです。以前は購入するかどうか迷った時、安ければとりあえず買っておくという考えでした。今すぐに必要ではないけれど、いつか出番が来るだろうし、何かに使えるはず。だったら安いものを見つけた今、とりあえず買っておこう、という思考です。

しかし断捨離を実行してからは、たとえ100円であったとしても本当に必要なのかどうなのかをよく考えるようになりました。熟考しようとすると、購入に至るまでの検討時間が必然的に長くなります。突発的に「欲しい!」と思った物でも、1週間後「やっぱり要らない」という判断に至ることもあります。

これを聞くとお店にも行かずほとんど買い物もしないのではないかと思われるかもしれませんが、実際は月に1〜2回は手芸屋さんに行く事を楽しみにしていますし、ネットショップをのぞくのも大好きです。

以前、断捨離を始めた頃に極端に買い物を控えていた時期がありました。どうしても物を増やしたくなかったからです。お店に行くと誘惑に負けて色々と購入してしまうので、必要な物がある時以外はお店には行かない!と心に決めて実践していました。おかげでどんどん部屋はすっきりしていきましたが、それとは裏腹に徐々にハンドメイドが楽しめなくなり、少し寂しい気持ちを覚えたものです。

手芸店や100円ショップを巡ってずらりと並んだ資材を眺め、何を作ろうか、どれにしようかとあれこれ選ぶ至福の時間。これもハンドメイドという趣味の一部であると気付いたわけです。それ以来、以前と同じくらいお店に行くようになりました。ただ、購入には慎重です。

本当に今の自分に必要なものなのか、他のもので代用できないか。自問自答を繰り返し、それでも欲しいと思ったものだけを購入します。よく考えて買い物をすれば物で溢れかえった仕事部屋に戻ることはまずありません。

6.まとめ

「いつか使うかもしれない」、「どこかで必要になるかもしれない」。物を大切にする気持ちからほんのわずかなハギレ、余ったリボン、半端なボタンやビーズなどを仕舞い込み、その存在すら忘れているなんてことはないでしょうか。過去のハンドメイド作品を使用も販売もせず、そのまま眠らせていることもあるかもしれませんね。ハンドメイド好きさんにはよくある話です。

どの趣味にも言えることかもしれませんが、とにかく材料や道具などどんどん物が増えてしまうのがハンドメイド。ひとたび興味を持ってしまうと、好奇心からあれもこれも欲しくなってしまいます。然るべき道具に頼れば仕上がりがきれいになると分かり、それを口実に物を増やすことも多々あります。最近は100円ショップの手芸コーナーも充実しているので、安いからとついつい買い集めてしまう傾向も。自身の趣味が人伝に知れ渡ってうれしい頂き物をすることも少なくありません。

そうやって増えてしまったアイテムが部屋を占領し、持ち主がきちんと把握できなくなってしまっては作業の妨げになりかねません。あれがないと始まらない、という肝心なアイテムを、はて、どこに仕舞い込んでしまったやら。必要な物を探すのに時間を取られ、なかなか実際の作業に着手できません。また箱やら引き出しやらを開けている最中に他の物に気を取られ、誘惑との戦いも強いられます。

そんなデメリットを解消してくれるのが、断捨離です。物が少なければ探し物をさっと取り出してすぐに作業に取り掛かることができます。時間短縮はもちろん、モチベーションの上がっている時に制作ができるのでよりよい作品にも繋がります。

しかし不要と感じられる時期が明確なベビー用品やキッチン雑貨と違い、比較的長く使える物が多いハンドメイド関連のグッズの手放し時はなかなか判断が付きません。気に入って買った素材や頑張って作った作品など愛着のある物も多いので、手放せない気持ちは募るばかりです。

そんな時の基準になる2つの条件が、「今現在使っておらず過去1年以上使わなかったモノ」と「今後すぐに使う予定がないモノ」。私はこれを念頭に要るものとそうでないものを識別しています。

ひとたび手放す物が分かれば、次は実際の断捨離です。売る、ゆずる、捨てる。どの方法にも利点と難点がありますが、とにかく物を減らすことへのメリットは尽きません。

もうすぐゴールデンウィーク。ちょっと家の中をスッキリさせようかな、なんて計画をされている方も多いのではないでしょうか。この機会にぜひハンドメイド関係のアイテムの断捨離も考慮されてみるのはいかがでしょうか。簡単なことではありません。でもその向こう側には時間短縮できるスムーズな環境が待っていること間違いなしです。

<参考文献>
カレン・キングストン(田村明子訳)、「新ガラクタ捨てれば自分が見える 風水整理術入門」、小学館(2013年)

佐々木 典士、「ぼくたちに、もうモノは必要ない。」、ワニブックス(2015年)

しぶ、 「手ぶらで生きる。 見栄と財布を捨てて、自由になる50の方法」、サンクチュアリ出版(2018年)

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うさうさ
うさうさ
ものづくりが大好きです。ビーズ刺繍を中心に、どこにもない ちょっと個性的な作品を目指して日々奮闘中。...
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