目次
- 1.材料と道具
- 2.作り方
- 3.まとめ
YouTubeの視聴者さんから多くの質問をいただいているペーストクレイの作り方とコツを詳しくまとめました。綺麗な線の描き方やトラブルシューティングなどを含め、スマホケースを作るプロセスに沿ってご紹介いたします。
ペーストクレイとは、樹脂粘土、木工用ボンド、そして水を混ぜ合わせて作るペースト状態の粘土のこと。OPPフィルムのコルネに詰めて絞り出しながら、アイシングクッキーの要領でイメージを描くことができます。
ペーストクレイはただ線を描くだけではなく、工夫次第ではいろんな用途に使えます。人気のレジンクラフトの枠作りもそのひとつ。ここではシンプルなラインのネコちゃんのスマホケースの完成までをご説明していますので、レジンの基礎知識と材料、道具をお持ちであれば、初めての方でもお楽しみいただけます。
ネコちゃんのデザインシートは下記よりダウンロードいただけます。イラストはNelco-necoがデザインしたものです。
http://nelco.jp/icingclaycat.pdf
・樹脂粘土グレイス
・木工用ボンド
・OPPフィルム
・スケール
・スパチュラ
・A4クリアファイル
・面相筆
・UVLEDレジン
・ノンワイプトップジェル
・着色材
・シリコン筆
・LEDライト
・エンボスヒーター
・調色パレット
・透明ハードスマホケース
・紙やすり#600〜#800
・ゴム手袋
・ガラス容器(混ぜるためのもの)
・セロハンテープ
・ハサミ
・まち針
・ティッシュ
ペーストクレイの比率は「樹脂粘土1:水0.5:木工用ボンド0.75」です。
ガラス容器に樹脂粘土、水、木工用ボンド(水と木工用ボンドは小分けにして少しずつ入れます)を入れて、お好きなアクリル絵の具を加えます。今回はブラックにしましたが、ブラックとホワイト以外の色はペーストクレイが乾燥すると少し色が濃くなりますので注意します。
スパチュラを使って最初は切るようにして粘土を混ぜます。粘土が固く混ぜにくい場合は、混ぜる前に用意した水を指に付けて揉み込んで少し柔らかくすると混ぜやすくなります。水分量が多いとペーストクレイが柔らかすぎて綺麗に描けなくなりますので、加える量はできるだけ少なくします。
ある程度混ざったら、粘土をガラス容器に押しつけるようにしてすり潰すイメージで続けます。綺麗に混ざってない粘土が残っていると、目詰まりの原因になります。
少しずつ残りの水と木工用ボンドを混ぜます。ペーストクレイに艶が出てきますので、それを目安にします。これはまだ艶が出ていません。
ペーストクレイに艶が出てきて、角が立つぐらいがベストな状態です。
三角形のOPPフィルムを丸めてコルネを作ります。三角形の一番長い辺の中央が先端になるように円錐形に丸めます。
右手の親指と人差し指をスライドさせると先端を締めたり緩めたりできますので、しっかり先端が尖るように締めます。
付属のシールまたはセロハンテープで止めます。
スパチュラ2本を使ってペーストクレイをすくい取り、コルネに移します。入れすぎないように注意しましょう。
指でペーストクレイを先端に押し流すように移動させて空気を抜きます。空気が残っていると乾燥の原因になります。
左右上の順番で折り返します。入れすぎているとこの時点でコルネから溢れてきます。
上から巻き込んでいき、セロハンテープを貼ります。
良く切れるハサミで先端をカットします。絞り口の大きさは描きたいラインの太さにします。
最後にまち針を刺してペーストクレイの乾燥を防ぎます。
長期保管する場合は先端のまち針を外して、替わりにセロハンテープを貼って乾燥しないようにします。正しく密閉できていれば、ペーストクレイは1年以上保管できます。
ペーストクレイの綺麗なラインの描き方のコツ!ペーストクレイは、常にコルネの先端を少し浮かせて描きます。
クレイを絞り出しながら、そっと上から降ろすようにします。たとえ上手くできなくても乾燥したら簡単に剥がせますので、失敗を恐れずトライしてみましょう。
上手く描けない場合は、ペーストクレイの硬さを再度見直します。固すぎると絞りにくく、柔らかすぎると絞りやすくはなりますが今度は線がだれてしまい、綺麗なラインが描けません。ちょうど良い硬さのペーストクレイを作って頂ければ、上達も早いと思います。
デザインシートをダウンロードしてお使いいただけます。A4サイズに入る大きさになっています。http://nelco.jp/icingclaycat.pdf
A4クリアファイルを適当な大きさにカットして、デザインシートに重ねます。動かないようにセロハンテープで止めましょう。
クリアファイルの上からペーストクレイで下絵をトレースします。
一気に描こうとせず、パーツごとに描くと綺麗に仕上がります。
ネコちゃんの瞳を塗りつぶします。画像のようにペーストクレイを隙間なくモンブランケーキのように埋めていきます。
水をつけた面相筆で表面を慣らします。できるだけ力は加えずに、筆先でそっと撫でるようにします。
画像のように綺麗に平らにします。一旦ここでペーストクレイを自然乾燥させます。乾燥時間は20分ほどです。
今回は後でレジンを流しますので、レジンが決壊を起こさないようにペーストクレイを2度描きして高さを設けます。1度描いたペーストクレイの上を更にトレースして描きます。
画像は2度描きをして自然乾燥させたところです。色も濃くなって、ペーストクレイの水分量が抜けて少し縮んだのが分かります。
作業中にペーストクレイが真っ直ぐ出なくなることがよく起こります。原因はだまが残っていた場合か、または乾燥したペーストクレイがコルネの絞り口に付着している時です。そのような場合は、コルネの先端を水に浸けてからティッシュペーパーで先端を掴み絞り出します。
詰まっていた部分を取り除きました。
コルネの先端にまち針を通して絞り口を綺麗な円形になるようにします。この作業をしても上手くいかない場合は、コルネを作り直してペーストクレイを入れ替えます。
レジン液に着色剤で色をつけます。お好きな色の組み合わせを楽しみましょう。私はVitrail(ヴィトラーユ)使いましたが、星の雫 着色材12色セットでも同じようにできます。
掻き回した後は気泡ができやすいので、レジンを塗る前はエンボスヒーターで気泡を消しましょう(詳しくはこちら)。
ペーストクレイの隙間からレジンが流れ出すことがありますので、区切られたパーツごとに塗って小まめに硬化します。
塗り終わったらしっかり硬化した後にゆっくり猫ちゃんを剥がします。
スマホケースに紙やすり#600から#800くらいのもので縦横斜めの順に全体をサンディングします。水を付けてサンディングするとプラスチックの粉塵も飛ばずに作業ができます。水を使った場合はしっかり水分を拭き取りましょう。
スマホケースの裏から「Hello!」を貼り、ケースに直接ペーストクレイで描きます。先ほどとは違って立体物に描くので少々難しいと思いますが、何度でもやり直しできますのでぜひ頑張ってみましょう。
スマホケースの表面にレジンを掛けます。
シリコン筆を使って全体に伸ばします。レジンを薄く伸ばすと表面が波打って見えますので、ある程度しっかり塗ります。
ネコちゃんをレイアウトして軽く押さえつけます。位置が決まったらLEDライトでしっかり硬化します。
仕上げにトップコートを塗り、再度硬化します。
スマホケースの出来上がりです。
ご質問の多いペーストクレイの作り方を詳しくご紹介いたしました。樹脂粘土、木工用ボンド、そして水を混ぜ合わせたペースト状態の粘土には、さまざまな用途があります。人気のレジンクラフトの枠作りにも最適ですので、興味のある方も多いのではないでしょうか。
3つの材料を混ぜ合わせるだけではありますが、いくつかのご注意点があります。ひとつは水分量。固いと描きにくいものの、水分が多く柔らかいペーストクレイはだれてしまってこれもまた上手くいきません。ペーストのちょうど良い固さが成功の鍵と言えるでしょう。
しっかり混ぜることも重要なポイントです。だまが残っていると目詰まりの原因となり、線を描く際にコルネの先からペーストが真っ直ぐに出て来なくなることがあります。艶が出て角が立つくらいまで混ぜ、だまを防ぎます。もしも出来てしまった場合は、コルネの先を水を浸けてティッシュペーパーで絞り出すことでトラブルシューティング可能です。
線を描く際のコツは、コルネの先を常に宙に浮かせて絞ること。出てきたペーストをそっと降ろすような感覚です。思うように出来なくても乾けば簡単に剥がせますので、失敗を恐れずにチャレンジしていただけます。
ペーストクレイは立体的に描くことも、左官することも、接着剤の役割も果たしてくれます。長期保存も可能ですので、のんびり楽しんでもらえたら嬉しいです。
今回は樹脂粘土でペーストクレイを作りましたが、そのほかにもパジコさんのモデナペーストを使用したり、コーンスターチを用いたりと、3通りの作り方があります。詳しくはネルコネコチャンネルの再生リストをご覧ください。
ここでは作ったペーストクレイで枠を描き、レジンを流したネコちゃんをスマホケースに接着するプロジェクトをご紹介いたしましたが、他にもいろんな楽しみ方があります。ぜひ挑戦してみてはいかがでしょうか。