目次
- 1.材料と道具
- 2.作り方
- 3.まとめ
レンジャー社の人気アイテム、ディストレスオキサイドインク。スタンプインクとして世界中のカードクラフターさんたちに愛されているだけでなく、お水への反応の面白さからミックスメディアアーティストさんたちの間でもマストアイテムになっています。
魅力いっぱいのディストレスオキサイドインク。ここでは2色のインクとお水を入れたスプレーボトルを使った背景の作り方をご紹介いたします。
・ディストレスオキサイドインク
・スプレーボトルにお水を入れたもの
・クラフトシート(なければオーブンペーパーなど)
・ペーパー(水彩またはミクストメディア用紙など)
インクとお水が染み込まなければお手持ちのマットやシートでも代用できますが、同じくレンジャー社から出ているクラフトシートというものがあると大変便利です。ノンスティックでつるっとしているので水分を弾き、ペーパーの滑りもよく、後片付けも簡単です。
作業中に動かないよう、マスキングテープなどで机に留めます。
お水をたっぷり使うので、水彩画用紙やミクストメディアペーパーが向いています。
指で触れたところに跡が残るので、カードにするときにトリミングできるよういつものマットよりひと回りほど大きくカットするとよいでしょう。私は普段4x5.25インチのマットを使っているので、ここでは0.5インチほど広く4.5x5.75インチにしています。
1色でも、たくさん混ぜてもよいですが、ここではディストレスオキサイドインクの面白さが引き立つよう、2色で作ります。
ひとつめのインクを伏せるようにパッドの土台を持ち、クラフトシートに擦り付けます。
もうひとつのインクも擦り付けます。
お水をかけます。手を濡らしてぱっぱっと振りかけても同じようにできますが、スプレーボトルに入れて噴きかけるのが一番簡単です。
かけるお水の量は、お好みで。いろいろ試してみるとよいでしょう。
ペーパーを伏せて乗せ、インクを拭い取るように移します。
どんなパターンになるかは、毎回ミステリー。
表に向けて確認しながら、繰り返しインクを拭い取ります。
イエローとピンク、そして混ざったところがオレンジっぽくなり、複雑な模様になりました。
色と色の境目をぼんやりさせたい場合は、ペーパーの方もスプレーで湿らせます。
絵の具と筆でこれをやろうとすると、自然に仕上げるのが意外と難しいんですよね。
寒色系でも試してみましょう。
海中のシーンなどに良さそうな背景になりました。
この2色は、私の定番の組み合わせ。
溜まった水分が流れ、マーブルのようなパターンができました。
これはちょっと想像がつかない組み合わせ。
どちらもかなり濃い色なので、お水を多めにかけました。海面に沈む夕日みたいです。
ディストレスインクの面白さは、ここで終わりません。チラシの上などに並べて乾かします。くるんと丸まっていたペーパーも乾くにつれてほとんど平らになります。すぐに次の作業に入りたい場合はヒートツールを当ててもOKです。
ディストレスインクは、乾くと粉が噴いたように部分的にマットになるのです。
これは色によりけりで、強く出るものとそうでないものがあります。この2色は、全体がパステルっぽくなりました。
水分たっぷりで流れ出したところは、ピグメント(粒子)が多かったようでくっきり白いストリーム状態になっています。
ダイインクはペーパーに染み込み、ピグメントインクは表面に乗ったまま乾く、という性質が、お水を混ぜることでバランスが変わって想像のつかない結果を生んでいます。
これが乾くと…
こうなるなんて、とても不思議です。
2017年に発売されて以来、カードメイカーさんたちのマストアイテムとなっているディストレスオキサイドインク。普通のスタンプインクとして優秀なだけでなく、お水を混ぜた後の予想のつかない反応などから、ミクストメディアアーティストさんたちにも愛されています。
ここでは2色のインクをノンスティックのクラフトシートに擦り付け、スプレーでお水をかけた後にペーパーで拭い取る方法で作るバックグラウンドをご紹介いたしました。特にコツなどはなく、失敗や成功の定義もなし!とにかくやってみなくてはどうなるか分からず、また、乾いていく過程でも変化が起こるので、まるで化学実験のようなワクワク感も味わえます。
ディストレスオキサイドインクにはまだまだ他にも魅力があります。また話題にしたいと思います。