目次
- 1.材料と道具
- 2.作り方
- 3.まとめ
かぎ針編みのかぼちゃを作ったとき、グリーンの毛糸で編んだアイコードをヘタに見立てました。私はかぎ針と棒針での作り方を知っているのですが、「より初心者さんにもチャレンジしやすいチューブ状のひもの作り方はないかしら?」と検索しているときに出てきたのが、フレンチニッター(French knitter)。フレンチニッティングドール(French Knitting Doll)、ニッティングスプール(knittig spool)などとも呼ばれるものです。
フレンチなんて言うとちょっぴりファンシーに聞こえるかもしれませんが、ハンドメイドをされる方にはお馴染みのツールかもしれません。日本語でリリアン(リリヤン)と呼ばれるおもちゃと同じものなんです。
ウィキペディアによりますと、大流行したのは昭和30年から50年頃。私はこの時期に手芸遊びをした世代からは微妙に外れており、「むかし人気のあったおもちゃの編み機」くらいの認識でおりました。知ってはいても、なぜか一度も触れる機会のなかったクラフトツール。これも何かのご縁かしら?と、興味本位ではじめてのリリアンを購入してみました。
日本では100円ショップなどでも使いやすく進化したものが売られているようですが、ニッティングドールとも呼ばれるくらいなので、私はあえてレトロな木製のお人形のデザインのものを選んでみました。プラスチック製のもの、ペグの数が4本より多いもの、回転盤がついているものなどもあるみたいですが、仕組みはどれもほとんど変わらないようです。
基本の使い方をご紹介いたします。
・フレンチニッター(リリアン)
・毛糸
・糸切りばさみ
手のひらにしっくり収まるサイズの、握りやすいハンドツール。てっぺんには4本のペグが刺さっています(これが、5本のもの、またはそれ以上のものもあります)。
本体とピックの2ピース構成になっています。
真上から見ると、中心が空洞になっています。スプール(糸巻き)ニッティングとも呼ばれる理由が一目瞭然です。
ここに毛糸の端を入れます。スムーズに入らないようなら、とじ針やクリップなどを使って重みで通すと良いと思います。
糸端は、あとで処理できるくらいの長さを残します。
ペグの根元に毛糸を巻きます。ひとつめのペグに時計回りにかけて…
ぐるりと一周させます。
2つめのペグにかけて…
ぐるりと一回転。
3つめ…
4つめと、すべてのペグに1回転ずつ巻きつけます。これが、かぎ針編みや棒針編みで言うところの「作り目」の部分になります。
もう一周させますが、今度はそれぞれのペグにぐるりと巻きつけず、ペグの外側にピンと張るようにしていきます。一周めの糸が浮いているようなら、指またはピンを使ってペグの根元へ押し下げます。
右手(利き手)で糸を押さえ、ニッターの方を回転させるとやりやすいです。
レスリングのリングみたいになっています。
ひとつ目のペグの根本に巻いた糸を、ピックの先で拾います。
拾ったらそのまま持ち上げて…
ペグの反対側(内側)に移動させます。
2つめのペグも同様に、根本に巻かれた糸を引き上げて…
ペグの反対側へ持っていきます。
3つめのペグも…
4つめのペグも同様に、先に巻いた根元のループをピンに引っ掛けて持ち上げ、ペグの内側へ移動させます。
これで1段めが編み終わりました。真上から見るとこんなふうになっています。
2段めを編み始める前に、指かピックの腹を使って浮いている毛糸のループをペグの根元の方へ押し下げます。
4つのペグの外側にピンと張るように、毛糸を一周させます。
ピンと張った糸を指で押さえ、2段めを編み始めます。
ペグの根元に巻かれた糸のループをピンで拾い上げて…
ペグの内側へ移動。あとは、これの繰り返しです。
3、4段終えると、編み地らしくなってきます。ピンで押し下げただけでは浮きがちになってきたら…
下に出ている糸を引き下げます。
するとトップがすっきりして、続きが編みやすくなります。
続きを編んでいきます。
長くなると、ニッター本体の下から見えてきます。
必要な長さになったら、編み終わりを締めます。
締め方はいろいろあるようですが、途中で解ける心配も別のツールを用意する必要もなく、すでに手に持っているピンでそのままの流れで自然にフィニッシュできるこのやり方が手軽です。
最後に糸をかけたペグにかかっているループをピンで拾います。
拾ったらすくい上げて…
2つめのペグにかけます。
2つめのペグには、毛糸が2ループかかっている状態です。普通にボディを編んだ時と同じように、下(ペグの根元)のループを拾い上げて…
ペグの向こう側に移動させます。
すると、2つめのペグにはループがひとつになりました。これをピンの先に引っ掛けて…
すくい上げ…
3つめのペグへ。
これを、4つめのペグのループがひとつになるところまで繰り返します。
ループにピンを差し込んで、グイッと本体から編み地ごと引き出します。
糸処理できるくらいの長さを残し、ハサミでカットします。
これで、ピンにかかっている糸を完全に引き出してしまっても大丈夫です。
アクセサリの止め金具をつけるなり、とじ針で糸端を隠すなり、必要に応じて処理します。
あみぐるみの手足なら数センチ、ストラップやコードなら数十センチ。長〜く編んで渦巻き状に縫いとめて、コースターや鍋敷なども作れます。その他、ワイヤーを通してハートやお花の形にまとめたり、筆記体でワードやフレーズを綴ったりと、さまざまな楽しみ方があるようです。
昭和の女の子たちが夢中になったという、リリアン。ソーシャルメディアで話題にしてみたら、60代の私の母も「懐かしい」なんて言うではないですか。リバイバルなのか、それとも継続的に人気があるのか、私よりお若い世代の方々も子どもの頃に遊んだとおっしゃっていました。
今は改良され、ペグにグルーブ(溝)のようなものがあってピンが引っ掛けやすくなっていたり、ピンの先に角度がついていたり、トップが回転ディスクになっているようなものもあるみたいです。それだけ需要もあると言うことでしょうか。
実際に遊んでみて納得!簡単で、楽しくて、勢いがついてくるとスピードもアップして、ボディの下からどんどんチューブ状のコードが出てくるのが面白い!
いつもの手芸だと、最初に作りたいものがあって、それに必要な道具を買う、という順序ですが、今回は逆で、特に目的もなくフレンチニッターを入手。好きな色の毛糸でさまざまな長さのカラフルなコードを編み、「これで何ができるかな?」と眺めているのも楽しいです。
いくつかアイデアも浮かんでいます。また話題にしたいと思います。