目次
- 1.材料と道具
- 2.接着芯の種類
- 3.接着芯の貼り方
- 4.まとめ
布地にハリを持たせ、厚みを出し、出来上がった作品の型崩れを防ぐ役目もする接着芯。英語ではインターフェイシング(interfacing)と言います。
以前よく帽子を作っていたので、くたっとならないようブリムの部分によく使っていました。置いて手を離しても直立したままのトートバッグを作りたい時も、接着芯は欠かせません。
柄が気に入って選んだ生地が目的のポーチにするにはやや薄かったので、接着芯を貼って少し厚くすることにしました。接着芯の種類、基本の貼り方、裏表の見分け方、そしてきれいに貼るコツをご紹介いたします。
・布地
・接着芯
・ハサミ
・パーチメントペーパー(または薄い当て布)
・アイロン
今私の手元には4種類しかありませんが、接着芯には実にさまざまな素材、厚さ、色が揃っています。
これは薄手の不織布の接着芯。向こうが透けるくらい薄く、あってもなくても良さそうな印象を受けるかもしれませんが、これを貼るかどうかで仕上がりがかなり違ってくる場合が多いです。
これも同じく素材は不織布ですが、もう少し厚みがあり、見るからにパリッとしています。
これは接着キルト芯。ふかふかの仕上がりを狙いたい時に使います。
スポンジ素材のものもあります。
とても厚く、しっかりしているので、バッグに向いています。私はノートブックカバーを作った時に買いました。
他には、シャツなどしなやかさを損ないたくない時に使う布製の接着芯もあります。厚さもさまざまで、色も白と黒が主流ですが、中にはカラーバリエが豊富なブランドもあります。
いずれも共通しているのは、片側、または両面に接着剤がついていること。これはのりが点で付いているので、目で見ても分かりますが、触るとざらっとしているので表裏の区別がつきます。
のりが面で付いている場合は、角度を変えるとキラキラしているのが分ります。
接着芯を貼りたい生地と同じサイズにカットします。
生地にしわがある場合は、アイロンをかけます。特にくっきりついた畳みじわなどは先に延ばしておかないと、元に戻りません。
アイロンをかけたら、生地の裏側を上にしてアイロン台に置きます。
パーチメントペーパーがあると便利です。
ピザを焼いてもクラストやチーズがくっつかない、オーブン皿に敷いて使うペーパーです。日本ではオーブンシート、クッキングシートなどと呼ばれるようです。
接着芯と布地より少し大きいサイズにカットします。
裏を上に向けて置いた布地に、のりの付いた面を下にして…
接着芯を重ねます。
中温のアイロンをかけます。
この時に注意したいのが、けっしてアイロンをスライドさせないこと。熱を加えてのりを溶かすためのアイロンかけなので、あくまでも上から押し付けるだけ。動かさずに10数えたら、アイロンを持ち上げるくらいの気持ちで次のエリアに移動させます。
すでに接着したところにオーバーラップさせる感じで、少しずつずらしながら全体に熱をと圧力を加えます。
のりが溶けにくいものもあるので、途中で確認してみると良いでしょう。
接着し終えたら、完全に冷めるまでいじらず、平らにしておきます。待たずに次の作業に入ると、せっかく貼り付けた接着芯が部分的に剥がれてしまうことがあります。また、熱が引いてのりが硬化することでパリッとしてくるので、歪んだまま冷めてしまうとやり直しの可能性もあります。
できました。
厚みが増し…
角を掴んで持ち上げてもくたっとしません。
ポーチの作り方は、こちらでご覧いただけます。ファスナー押さえがなくても上手に付けられる方法とともにレシピをご紹介しています。
ソーイングを始めてバッグやポーチに挑戦するようになると、「どうして市販の布小物はしっかりしているのに私が作ったものはくたっと寝てしまうのかな?」と壁に当たってしまうかもしれません。ソリューションは、接着芯です。
接着芯にはさまざまな素材、厚さ、色があり、用途によって使い分けられています。バッグやポーチの場合は好みもあると思うので、いくつか試されてから本番に使うものを決めても良いと思います。日本では、100円ショップでも買えるようです。
接着芯には、接着剤のついたものとそうでないものがあります。アイロンで貼る便利なタイプの接着芯には、裏と表があります。見分けるには、ザラザラしたテクスチャーと光沢を確認します。
接着芯をきれいに貼るコツはいくつかあります。ひとつは、アイロンをスライドさせないこと。ゴシゴシしてしまうと、よれができてしまいます。垂直に上から押さえるように、あくまでもアイロンは「当てる」のが正解です。
また、貼り終えたらアイロンによる熱が完全に引くまで触らないのも上手く仕上げるポイントです。冷めないうちにいじってしまうと、接着芯が剥げたり歪んだままになる恐れがあります。アイロンをかけ終えたら平らな状態でしばらく放置すると良いでしょう。
当て布はする方としない方がいらっしゃると思います。私はオーブン皿に敷いて使うキッチン用のパーチメントペーパーを愛用しています。万が一接着剤がはみ出してもアイロンに付かないので安心です。接着剤が焦げてしまうとちょっと厄介なことになりかねません。
また、パーチメントペーパーを被せることでアイロンの滑りも良くなる気がします。繰り返し使えるので、私は少しカットしてちょうど良いサイズにしたものを接着芯を収納しているコンテナに一緒に入れてクラフトルームに常備しています。
なくてもポーチやバッグは作れるけれど、あれば差が付く接着芯。ワンランク上の仕上がりを目指すなら、接着芯の存在とその使い方を覚えておいて損はありません。小さなポーチあたりでチャレンジしてみるのはいかがでしょうか。