目次
- 1.材料と道具
- 2.作り方
- 3.まとめ
郊外の住宅街からダウンタウンの高層ビルに引っ越してきた2016年、それまで愛用していたフレンチカントリーの家具やインテリアがサイズ的にもデザイン的にも合わなくなったので、モダンスタイルのショップを見て回るようになりました。
そのときに出会ったのが、マクラメのプランターハンガー。ウッドビーズを通した生成りのロープを結んだりねじったりして袋状にしたものの中に、観葉植物の鉢を入れて吊るして使うものでした。ミッドセンチュリーモダン家具のお店の一角がローカルアーティストのおしゃれなブースになっており、今風のインテリアともマッチするボヘミアンなマクラメ作品の数々に大変ときめきました。
いつか挑戦したいと思い、購入は保留にしたまま早5年。申し込みをしたワークショップが講師の都合でキャンセルになるなど、マクラメとは縁がなかったのですが、先月図書館のエントランスで偶然の再会。コロナの影響で外出自粛生活が続いているからか、さまざまなハンドメイド本と共にマクラメも紹介されていたのです。
これはやるしかないでしょう!さっそく基本のノットをいくつか覚えてキーホルダーのチャームを作りました。
・マクラメロープ(しっかりした紐状のものであれば何でもOK)
・リング
・クリップボード(なければマスキングテープ等)
・ハサミ
・クリップ
マクラメ用のコードやロープには、あまり定義はなさそうです。直径1mmのものから1cm以上のものまで、太さはいろいろ。カラーバリエも豊富です。シングルストランド(1本もの)のロープ以外は認めないというこだわり派さんもいらっしゃるようですが、手に入りやすい比較的安価なものには3本か4本の撚りになったものが多いです。
私はアメリカのアマゾンで探しましたが、日本では100円ショップなどでも同じようなロープが手に入るみたいです。強度を必要としないプロジェクトなら、太めのコットンヤーンでも代用出来ると思います。
これは直径3mm。7本の糸がひと束になったものが3本撚られています。
ロープを必要な長さにカットします。出来上がりのチャームの長さに1インチ(約2.5cm)足します。私は6インチに仕上げたいので、基準の長さは+1で7インチ。
希望の長さ+1インチの4倍の長さにカットします。私の場合は7x4で28インチ。
これと同じものをもう1本カットします。
先にカットした方を揃えれば、測らなくて済みます。
28インチのロープが2本用意できました。
再び定規をあて、出来上がりの長さ+1(ここでは7インチ)の位置に輪を作ります。
リングにラークスヘッドノット(lark's head knot)を結びます。輪をリングの中に入れて…
引き出します。
引き出した輪の中に人差し指と親指を入れて…
ロープの束を掴みます。
輪の中から束を引き出します。
完全に引き出し、さらに引っ張って…
ノットにします。ラークスヘッドノットなんていう名称がついてますが、どうと言うことはありません。タグの穴にリボンを通す時など、クラフターの我々なら日常的に結んでいるノットです。日本語では、そのまんまの訳でひばり結びというようです。
短い方のロープが7インチ弱になっています。ノットの部分で取られるため、余裕を持って出来上がり寸法に1インチ足しています。
もう1本のロープもラークスヘッドノットでリングに結びます。
短い方が内側になるように結びます。スパイラルノットは、中の短い2本のロープを芯にして長いロープをぐるぐると結びつけていきます。
リングを固定します。机の向こう側にS字フックをかけてリングを通したり、マスキングテープで貼り付けたりもしてみましたが、私はクリップボードに挟む方法に落ち着きました。日本のクロバー社には、専用のクランプもあるようです。ご自分のやりやすいように工夫されると良いと思います。
リングを固定したら、スパイラルノットを結びます。
右手の長いロープを、右上に寄せて置きます。
短いコードを2本揃えて真っ直ぐに置きます。
真ん中で揃えた短いロープ2本を軸に、左手の長いロープで数字の「4」を描きます。短いロープが下、長いロープが上に来ています。
右上に寄せておいた右手の長いロープを下ろします。
「4」の交差したところの短い2本のロープの下に、右手のロープの先をくぐらせます。上から、左手の長いロープ、2本の短いロープ、右手の長いロープの順で重なっています。
右手のロープの先を左手でキャッチし、引き出します。
右側から入れたロープの輪が小さくなってきたら、左側から送った「4」の先を右手で掴み…
左右同時に引っ張ってノットにします。
軸になっている短い2本のロープを押さえ、ノットを押し上げます。
ひとつめのスパイラルノットができました。右と左の長いロープの位置が入れ替わっています。
右側に来た長いロープを右上に寄せて置き…
真ん中の短いロープ2本を揃えて垂直に下ろし、左側の長いコードで数字の「4」を描き、右上に寄せておいた右側のロープを下からくぐらせて引き出し、2つめのノットを結びます。
これを5、6回繰り返すと、スパイラル(螺旋)になってきているのが分かります。ねじれて結びにくくなったら…
表と裏を返します。私が使ったリングは根本が回転するものなのでそのままくるりと返せましたが、普通のリングの場合はクリップボードからいったん外して挟み直します。マスキングテープを使う場合は、くるりと伏せて貼り直しです。
半回転させたので、右側にあったロープが左に、左側にあったロープが右に来ています。
ひっくり返す前とまったく同じように、「4」の字を描きながらスパイラルノットを続けます。
希望の出来上がりの長さの半分くらいまで結ぶと、4本のロープの残りが同じくらいの長さになります。
ラップノット(wrapped knot)で仕上げます。ラップノットを結ぶには、別にカットしたロープが必要です。同じロープでも良いですし、別の色を使ってもアクセントになります。余裕を持って、10インチくらいにカットしました。
スパイラルの終わりから少し(1インチくらい)突き出すようにしてラップノットのロープを重ねます。
小さなノットなので指で押さえるだけで十分ですが、あればクリップを使うとスムーズです。
ラップノットのロープを折り上げて輪にします。
本体の4本と2つに折ったラップノットのロープ合計6本をまとめて束にして掴みます。
折り上げたラップノットのロープの端を掴み、束ねたロープに巻き付けます。
しっかりときつめに巻きます。
2周め以降は、スパイラルの本体を回転させた方が巻きやすいかもしれません。
希望の長さのラップノットになったら…
ロープの先を輪の中に入れます。
ロープの先と輪を押さえ、クリップを外して…
ラップノットの上から出ているロープの先を引っ張ります。
ゆっくりと引っ張ると、輪がだんだん小さくなって…
最後には巻き付けたロープの中に潜り込みます。
残りのロープをカットします。
ラップノットの上のロープもカットします。
糸端が気になるようであれば、目打ちなど先の尖ったものでラップノットの中に押し込みます。
4本のロープの先が不揃いであれば、ハサミで切り揃えます。
これでチャームの出来上がり!ですが、お好みで…
指でねじって撚ってあるロープを解します。
私はこちらの雰囲気の方が気に入っています。
難しいかな?と思っていた憧れのマクラメ。予想通り、最初はやっぱりかなり苦戦しました。どんなふうに説明したら私と同じ初心者さんでも迷わずに進められるかな?と試行錯誤する中で数字の「4」を意識してみたところ、私自身も混乱せずにスイスイ結べるようになりました。
植木鉢を吊るすなど強度を要するものでなければ、太めのコットンヤーンなどでも大丈夫。給食袋のひもなんかでも十分出来るので、ご自宅に眠っているロープ状のものでぜひちょこっと遊んでみてはどうでしょうか。