目次
- 1.材料と道具
- 2.作り方
- 3.まとめ
小さなソーイング作品の代表、ポーチ。作って楽しい、もらってうれしい、いくつあっても困らないのがポーチです。今日はポケットとティッシュケースも付いた、さらに便利なポーチの作り方をご紹介いたします。
このポーチのユニークなところは、小さくカットしたパーツを縫い合わせるのではなく、長〜く裁断した布地を決まった箇所で折り畳んでポケットやティッシュケースの隙間を作り出す方法を用いているところ。縫う箇所が少なく、布端処理の三つ折りミシンの必要もなし!
仕上がりがきれいになるポイントを交え、詳しい作り方をご説明いたします。
・表布前側1枚(35cm×15cm)
・表布後側1枚(31cm×15cm)
・裏布2枚(31cm×15cm)
・接着芯地
・タグ(またはタブにする布)
・ファスナー(12cm)
裁ちばさみ
・手芸クリップ
・ミシン
布地を裁断します。表布前側はポケットティッシュが入れられる設計なので、35x15cmと長めにカットします。
裏面に接着芯を貼ります(接着芯の種類と使い方はこちら)。
表布後側は、ポケットを作る場合は31x 15cmに、作らない場合は裏布と同じく13x15cmにカットします。
裏側に接着芯を貼ります。
裏布は2枚用意します。13x15cmと、完成サイズに近い寸法です。
表布2枚を折り畳みます。
折り畳むと、裏布と同じサイズである13x15cmになります。
表布にアイロンをかけて折り目を付けます。前側は、上から8cm、下から7cmのところが山折りになるようにして、アイロンであとを付けます。
中央は重なります。折り畳んだ時の縦の長さが13cmになっていることを確認しましょう。
中央は、1.5cmくらい重なります。今回は上側の布を重ねました。
布上下には、重なりのない部分がそれぞれ2cmほどできます。
表布の前側の折り畳んだ布の間にポケットティッシュが入る設計です。
続いては、後側の表布にあとを付けます。ポケットを作る場合は、布の縦の長さは31cm。
下から11cmのところが山折りになるように折り畳み…
表布の前側同様、縦の長さを13cmにします。
上側はだいたい2cm空くようになっています。
ポケットの深さは9cm前後になる予定です。
裏に返すと、下側にも約2cm幅の空きがあります。
表布を両方とも折り畳んだら、それぞれ山折り部分を縫い押さえます。
折り目から2〜3mmのところを縫います。
この後の作業を楽にするため、ファスナーに加工をします。ファスナーを裏側に向け、端が三角になるように折り上げます。
ファスナー端から2〜3mmのところをごく短く縫います。ここはミシンでも手縫いでもOK。合計4ヶ所縫います。
後で表布を縫い合わせるときに正しい位置で縫えるように、ファスナーの裏側に中心の印をつけます。
ポーチに仕立てます。ミシンで縫う時は、最初と最後に返し縫いをして補強しましょう。表布前側の上にファスナーを下向きに、布の中心に合わせ、布端から5mmのところに置きます。
手芸クリップを使ってファスナーと布を固定すると作業しやすくなります。
ファスナー端から5mmのところを縫います。
裏布を中表に重ねて手芸クリップで留めます。
表布とファスナーの縫い目をガイドに、そこから2mm左側を縫います。
縫い代を表布側に倒します。
ファスナーの際を縫い押さえます。
ファスナーと表布前側が縫い合わせたところです。
タブまたは挟みタグをつけます。ファスナーから1cmくらい下に、バランスよく配置します。ファスナー金具の際から出る分量を確認し、縫い代5mmで仮縫いします。
文字や柄が入っているタグを使う場合は、見せたいところが埋もれてしまわないように確認してから縫い付けましょう。
表布裏側も同様にファスナーを縫い合わせます。表布裏側の上にファスナーが下向きになるように重ねます。ファスナーを布端から5mmのところに置き、ファスナー端から5mmを縫います。
裏布を中表に重ねて…
表布の縫い目をガイドに2mm左側を縫います。
こちら側はファスナーを開けて縫います。
ファスナーを中心に表布前側と表布後ろ側を縫い合わせ、長い布になりました。
きちんと折り畳み、ファスナー金具を半分ちょっと開けた状態で裏返します。
縫い代は表布側に倒します。
ポーチの底部分を縫い代1cmで縫い合わせます。この時、裏布側に返し口を作ります。中央の5〜6cmほどを縫わずに空けておきます。
次に、ポーチのサイドの部分を縫い合わせます。
縫い代の幅はファスナー金具の外側の幅です。1cm~1.3cmほどです。
サイドを縫い合わせたら、返し口から表と裏を返します。小さいポーチを作る場合、布の重なりの厚みが気になることがあります。問題ない範囲で角をカットすると仕上がりがすっきりします。
表と裏を返したら、返し口を縫い閉じます。
裏布部分をポーチの中にしまい込めば…
ティッシュケース&外ポケット付きのポーチの完成です!
裏にはちゃんとポケットが出来ています。よく使うカード類を入れるのもいいかもしれません。
ティッシュが入っている部分はピッタリとしています。あまり膨らまない分ポーチとしても使いやすいです。
縦横ともにだいたい12cmの正方形です。
ポケットがあってティッシュも入る、コンパクトで使い勝手の良いポーチのレシピをご紹介しました。リップなどのお直し道具やよく使うカードを入れて、カバンの中をすっきりさせるのにもよさそうです。
ソーイングは始めに正しいサイズに布地を裁断してパーツを揃え、完成をイメージしながら縫い合わせていくことが重要です。このレシピでは長〜くカットした布地を折ることで機能を付けるので、長さをきちんと測って揃え、正しく畳んで縫い合わせるのが成功のカギとも言えるでしょう。
仕立てる前の準備として、今回はファスナーの加工を行いました。端を三角に折り上げて縫い留めることで最後の裏返しがしやすくなり、形もキレイに仕上がります。
また、返し口から表と裏を返す前に余分なところをカットすることで布の厚みやごわつきを抑えることができます。必要なところまで切り落とさないように気を付けながら、特に布が何重にも重なる部分や角のボリュームを減らしましょう。この少しの作業で出来上がりや使い勝手に差が生まれます。
コンパクトだけど便利機能が詰まったポーチです。お好きなデザインの布で作ってみてはいかがでしょうか。