目次
- 1.材料と道具
- 2.作り方
- 3.まとめ
シリコンモールドを使った空洞の球体の作りは何度かご紹介いたしました。それを虹色に着色すると、しゃぼん玉の出来上がりです。光が当たると乱反射して幻想的な色味になります。
透明でほんのりと色づいた美しいしゃぼん玉。今回はそんなしゃぼん玉のレシピを、着色の仕方や静電気の除去法などのポイントを交えながらご説明いたします。
レジン液
モールド
調色パレット
調色スティック
着色剤
レジンクリーナー
UV/LEDライト
クラフトナイフ
Tピン
やっとこ
ピンバイス
エンボスヒーター
マスキングテープ
爪楊枝
調色用に適当なモールドを用意し、マスキングテープで埃を取り除きます。
作家のためのレジンを使います。他のレジン液でも代用可能ですが、その際は高粘度ではなく低粘度のタイプを選びましょう。作家のためのレジンのようなさらさらタイプの方が失敗しにくく、このレシピに向いています。
モールドの5ヶ所にごく少量のレジン液を入れます。
赤、紫、青、緑、そして黄の5色の着色剤を使ってそれぞれのレジン液に色を付けます。できるだけ鮮やかな、くすみのない色味の着色剤を選びましょう。いろいろ試した結果この組み合わせが一番きれいに仕上がったので、今回もこの5色を選んでいます。
着色剤の入れすぎを防ぐためにモールドのフチに着色剤を出し、調色スティックまたは爪楊枝の先にごく少量の着色剤を取り少しずつ混ぜ合わせます。
調色スティックや爪楊枝でムラがなくなるまで混ぜ、エンボスヒーターで温めて気泡を抜きます(詳しくはこちら)。
気泡を抜いたら冷まします。
球体モールドの埃をマスキングテープで取り除きます。
モールドの内側に着色レジンを塗り付けます。マスキングテープで埃を拭った直後に少量のレジンを近づけると、静電気で散らばってしまうことがあります。
静電気を除去するには、レジンクリーナーを使います。ティッシュペーパーにレジンクリーナーを少量染み込ませ、モールドの表面を拭きます。
これで少量のレジン液を近づけても散らばりません。静電気でお困りの方にはお勧めの方法です。
しゃぼん玉のデザインを作ります。最終的には色が混ざって少し暗くなってしまうので、濃い色は少なめに、明るい色を多めに使います。赤の着色レジンを爪楊枝の先に1滴取り、モールドの底に付けます。
そのまま上に向けて線を描きます。
さらに対面に同じように赤の線を描きます。
黄色のレジン液を爪楊枝の先に取り、赤の線のちょうど真ん中に1本ずつ線を描きます。
次は黄色と赤の間に緑の線を描きます。こちらも対面になるように2本描きます。
残っている赤と黄色の間に紫と青が対面になるように1本ずつ描きます。
5色のレジン液で線を描きました。裏から見ると、着色レジン液が混ざらずに広がっているのが分かります。
透明のレジン液をモールドの3分の1くらいまで入れます。
気泡が入っていたら、色が混ざらないように気をつけながらピンセットで摘んで取り除きましょう。
気泡を取り除いたら、モールドをくるくると回して全体にレジン液を行き渡らせます。
全体にレジンが行き渡ったらモールドを下に傾けて穴を塞ぎます。
さらにモールドをくるくる回して全体にまんべんなく均一にレジン液を行き渡らせます。
回しながら120秒硬化します。厚みに偏りが出ないよう、縦横あらゆる方向にくるくると回しながら硬化しましょう。
置いた状態でさらに90秒、ひっくり返して裏からも90秒硬化します。
球体をモールドから取り出します。お持ちであれば、レジンクリーナーを使うと良いでしょう。球体のへこみを防ぐことができます。
球体からボコッと飛び出している部分をナイフで切り取ります。薄いモールドなどを下に敷くと滑り止めになり、安全です。飛び出している部分と球体の間にナイフを差し込むような感じで余分をカットします。
切り口は綺麗に整えます。
処理をした穴の反対側にピンバイスで小さな穴を開けます。球体は薄くてへこみやすいので、優しく丁寧に扱います。下に薄いモールドなどを敷くと滑らず、作業がしやすくなります。
ナイフでカットした穴からTピンを通してピンバイスで開けた穴で止めます。
Tピンを固定します。爪楊枝の先に透明のレジン液を少量取り、球体の内側から塗り付けて硬化します。あくまでも接着剤代わりなのでTピンの周り以外にはレジン液が付かないように気をつけましょう。Tピンの軸を持ち、しっかりと固定した状態で90秒硬化します。
カットした穴を塞ぎます。透明レジン液に2〜3色の着色レジン液をごく少量入れ、よく混ぜます。
色を混ぜたレジン液に穴の部分をそっと付けて塞ぎます。
穴を真下に向けた状態で120秒硬化します。
レジン液が垂れるようであれば、たまにひっくり返します。
Tピンを丸めてアクセサリー金具を繋ぐための輪を作ります。平やっとこでTピンの根本をしっかりと挟み、ワイヤーを直角に折ります。
ワイヤーを7mm残して余分をニッパーで切り落とします。
平やっとこでTピンの根本を挟んだまま、丸やっとこの先でワイヤー端を掴んで丸めます。
アクセサリーにアレンジしやすくなりました。
仕上げのコーティングをします。ワイヤーで作った輪を平やっとこで挟み、持ち手を輪ゴムで固定します。
コーティングには、作家のためのレジンを使います。作家のためのレジンはさらさらタイプなのでそのままコーティング液として使用できますが、粘度の高い別のレジン液の場合はエンボスヒーターで温めてから使うことをお勧めします。レジン液がさらさらになり、コーティングのつき過ぎの防止になります。
コーティング用のレジン液にしゃぼん玉を浸し、満遍なく付けます。
余分なレジンをしっかり落とし、くるくる回しながら塗り漏れがないか確認しつつ全体にレジン液を均一に行き渡らせます。
そのままくるくる回しながら120秒硬化します。
置いた状態でさらに両面120秒ずつ硬化します。
完成です。
光に反射していろんな色を見せてくれる、しゃぼん玉。そんな七色のしゃぼん玉をレジンで表現してみました。空洞かつ繊細な色合いなので難易度は高いかもしれませんが、光に当たってきれいに反射する様子を見るとその労力が報われます。
球体モールドの中にデザインを作る際は、明るめの着色レジンを多めに配合するように意識します。最終的に色が混ざり、意図したよりも色味が濃く出て暗めに仕上がる傾向にあるからです。青や紫の分量を控えめにしたりモールドの底で他の色が混ざらないようすこしずらすなどして工夫すれば、明るく鮮やかな仕上がりになります。
シリコンモールド付近でのレジン液の飛び散りを防ぐ方法も併せてお伝えいたしました。マスキングテープで埃を取り除いた直後のモールドには静電気が残り、少量のレジン液を近づけると飛び散ってしまうことがあります。これはレジンクリーナーで拭き取ることで解決できます。今回のような繊細なラインを描くレシピでは、このひと手間が仕上がりに影響します。
出来上がった球体を取り出す際にもレジンクリーナーを使うと、作品自体のへこみやモールドの傷を抑えることができます。筆に馴染ませてモールドの隙間に少量入れるとつるんと取り出しやすくなります。
空洞の球体をさらにアレンジしたレジンのしゃぼん玉。ぜひ作ってみてはいかがでしょうか。