目次
- 1.材料と道具
- 2.作り方
- ①鯉と蓮の花の水うちわ風
- ②朝顔の水うちわ風
- 3.まとめ
水うちわという岐阜県美濃市発祥の伝統工芸品をご存知でしょうか?世界遺産の手漉本美濃和紙・雁皮(がんぴ)にニスを塗って作られるうちわです。起源は室町時代頃と言われるこの長い歴史を持つ水うちわは、水に浸してから扇ぎます。そのため通常の紙製のうちわより涼しい風を送ることができるのが魅力です。さらにその繊細な作りと透けて見える素材のおかげで見た目の清涼感も抜群です。
透明感と言ったらレジンの出番です!今回は「目で感じる夏の涼」と題し、その透明感溢れる水うちわをレジンで作ってみました。デザインは2種類。ひとつは鯉の泳ぐ蓮池、もうひとつは色とりどりの朝顔。どちらも夏の風物詩です。そのままインテリアとして、金具を付けてアクセサリーにと、いろんな楽しみ方ができるレジンチャームです。
カン付きうちわの空枠を使用すれば、穴あけの必要なし!お子さまでも簡単に作ることができるので、夏休みの自由工作にもぴったりです。詳しい作り方をご説明いたします。
・作家のためのレジン
・作家のためのレジンUV/LEDコーティング液
・作家のためのレジン着色剤
・うちわチャームのレジンフレーム(ゴールド、シルバー)
・マーブル模様のデザイン転写シート
・鯉と蓮の花のレジンシールセット
・レジン枠用テープ
・丸カン
・爪楊枝
・ニトリル手袋
空枠の裏にレジンテープを貼ります。空枠部分がきちんとテープに固定されていないと、流し入れた時にレジンが漏れてしまいます。なのでしっかりと空枠とレジンテープを密着させましょう。
作家のためのレジンを使用します。
レジンを入れます。
爪楊枝でやさしく広げます。
全体的に均一になるよう、空枠の3分の1の高さまで広げます。
両面を硬化します。
マーブル模様のフィルムシートを使用します。
幅は約4cm、長さは40cmもあるフィルムシートなので、たっぷりと使用できます。
フィルムシートに未使用のうちわの空枠を乗せ、内側を油性ペンでなぞります。
カットラインを描きます。
描いたラインに沿ってハサミでカットします。
川をイメージしながら自由にハサミで切ります。
レジンを流してフィルムシートを乗せます。
鯉と蓮の花のレジンシールを使用します。
フィルムシートの上にレジンを流します。
レジンの上に鯉のシールを乗せます。
バランスを見ながらもう1枚鯉のシールを配置します。
蓮の花もバランスよく散らしましょう。
さらに中心に英字のレジンシールも乗せます。
配置を決めたら両面をそれぞれ1分硬化します。
空枠いっぱいにレジンを流し込み、再度硬化します。
レジンテープをやさしく剥がします。
裏に小さな穴が空いてしまった場合はレジンで埋めます。
少量のレジンを爪楊枝に取って流し入れ、穴の中に爪楊枝の先を何度も刺して気泡を抜きます。
穴が塞がって気泡が消えたら硬化します。
作家のためのレジンコーティング液を塗って仕上げます。
両面に塗布して硬化します。
鯉と蓮の花の水うちわ風チャームの完成です。
次に手描きの朝顔の水うちわ風のチャームの作り方をご紹介いたします。最初のベース作りはひとつめのチャームと同じです。裏にレジンテープをしっかりと貼った空枠にレジンを入れ、全体的に均一になるよう空枠の3分の1の高さまで爪楊枝で優しく広げて両面を硬化します。
丸カンを用意します。今回は8mmの丸カンを3個使用します。
作家のためのレジン着色剤は、レジンに混ぜずに原液のまま使える特殊なアイテム。今回は朝顔にコバルト、ピンク、パープル、ホワイトの4色を、葉っぱにはグリーンの着色剤を使います。
丸カンにレジンテープをしっかりと貼ります。
ピンクの着色剤をそのまま流し込みます。
爪楊枝の先で広げます。
次に少量のホワイトの着色剤を爪楊枝の先に取り、広げたピンクの着色剤の中央に優しく落とします。
星形になるよう爪楊枝で中心からスーと線を5本引きます。
両面1分ずつ硬化すれば朝顔のパーツの完成です。多少バランスが悪くなっても大丈夫。手描き風のデザインなので、むしろ味のある作品に仕上がります。
コバルトとパープルの着色剤でも同様に朝顔パーツを作ります。
本体パーツに接着します。うちわにレジンを流します。
流したレジンの上に朝顔のパーツをバランスよく並べます。
朝顔のまわりに葉っぱを描きます。爪楊枝の先にグリーンの着色剤を取り、周囲に点々と落とします。
爪楊枝の先でスーと1本線を引いて葉っぱを作り、硬化します。
円を描くと朝顔のつるのようにも見えます。
最後に空枠いっぱいにレジンを流して両面硬化し、両面コーティングすれば手描き朝顔の水うちわ風チャームの完成です。
並べるとかわいい!
岐阜県美濃市発祥の水うちわ。室町時代が起源と言われるこの伝統工芸品は、古い歴史を持つ手漉本美濃和紙の薄手で光沢の美しい雁皮紙にニスを塗って作れられます。水に浸してから扇ぐため、通常の紙製のうちわよりも涼しい風を送ることができます。繊細な作りと透明感もまた魅力です。
透明感といえばレジン!そこで今回はその水うちわにインスピレーションを得てレジンで水うちわ風のチャームを作ってみました。フィルムシートやレジンシール、丸カンと着色剤で作ったパーツなどで飾った、涼しげで夏らしい作品のレシピをご紹介いたしました。
作ったのは2デザイン。ひとつは鯉の泳ぐ蓮池をイメージした作品です。鯉と蓮の花にはレジンシールを使いました。池の水の雰囲気はフィルムシートで表現。色合いがとてもきれいな大理石のようなマーブル柄のフィルムシートをカットして封入しました。フィルムシートは自由にカットして簡単に転写できるので、さまざまなレジン作品に重宝します。
ふたつめのデザインは、手描き風の朝顔。先に小さな朝顔パーツを複数作ってからうちわの空枠に入れました。朝顔パーツは丸カンと着色剤を用いて作ります。本来なら着色レジンを作って丸カンの内側に流すところですが、ここでは特殊な着色剤を使用したのでその手間が省けました。
作家のためのレジン着色剤は、レジンを主材料として作られたために原液そのままで使用することができます。枠に流し入れてそのまま硬化すればOK。手軽なだけでなく濃い着色が可能なので、今回のレシピにはぴったりでした。ピンクや紫などの朝顔らしい色の着色剤の上に白の着色剤を少量垂らし、中央から放射状に5本の線を引けば小さな朝顔パーツのできあがりです。
作った朝顔パーツをうちわの中に並べたら、まわりに葉っぱとつるを描きます。多少いびつになっても大丈夫。むしろ手描きの味わいが増し、風情の感じられる作品に仕上がります。
うちわの空枠にレジンを流す時も丸カンで朝顔パーツを作る時も、裏にしっかりとレジンテープを貼り付けるのが上手に作るコツのひとつです。貼り方が甘いとレジンが漏れてしまいます。爪楊枝の先で広げる作業中に流れ出てしまわないよう、しっかりと密着させましょう。
今回はカン付きのうちわの空枠を使用しました。穴あけの必要がないので、お子さまでも挑戦できるレシピです。ハンドメイド好きのお子さまの夏休みの自由工作の題材にも最適です。
「目で感じる夏の涼」と題してご紹介した、鯉の泳ぐ蓮池と手描き風朝顔の2種類の水うちわ風レインチャーム。このまま飾ってインテリアとして楽しむのもよし。カンに金具を通せばキーホルダーやネックレスなどのアクセサリーにもアレンジ可能です。夏のクラフトタイムに、お子さまの自由工作に…ぜひ取り入れていただきたいアイデアです。