目次
- 1.材料と道具
- 2.作り方
- 3.まとめ
2.5x3.5インチ(約6.3x7.6センチ)サイズの台紙で作る、手軽で楽しいミニカード。クラフターさん同士が名刺がわりに交換するATCカード(アーティストトレーディングカード)と同じ寸法なので、両方に使えるところも便利なサイズです。
スタンプひとつふたつ、インクも単色または2色で仕上げるようなシンプルカードこそ、バランスやクラフツマンシップがものを言います。絶妙な余白の取り方、欠けや掠れのないインクアプリケーションなど、少し意識を変えるだけでセンスの光るデザインが実現します。
道具に頼るのもひとつの手です。初心者さんも上級者さんも、スタンプポジショナーキットを使いこなして大胆ミニカードにチャレンジしてみましょう。
・ハロウィンデザインのスタンプ(大小各サイズ)
・インクパッド
・スタンプポジショナーキット
・ペーパー
・ミニサイズの2つ折りカード
・テープのり
お気に入りの猫さんのスタンプ。ハロウィンデザインではないけれど…
魔女の帽子を被せればOK!
先に猫さんをスタンプします。
ここに魔女の帽子を入れたいんだけれど、クリアスタンプではないので狙ったところに着地させられるかどうか、自信がありません。
そんなときに便利なのが、スタンプポジショナーキットです。L字型をしたハンドルとアクリル板のセット。L字の内側にアクリル板の角をぴったりと寄せて、スタンプのウッドの持ち手も角にくっつけて垂直に下ろすようにスタンプします。
この透明のアクリル板が、スタンプを入れる場所のガイドになるんです。猫さんの頭に被さるようにガイドの板を配置します。
ここに、L字型のハンドルを戻します。角をぴったりと合わせ、ハンドルを動かさないように気をつけて…
ガイドの板を外します。
スタンプにインクをつけ直し、L字のハンドルの内側の角に合わせて垂直に下ろします。
ガイドで決めた位置に魔女の帽子を入れることができました。
フレーズの位置に迷った時も、スタンプポジショナーは良い助っ人になってくれます。上にしようかな…
下の方がいいかな…
ぶっつけ本番でスタンプせず、こうやってシミュレーションしてみることができるのです。
実際のスタンプも、ポジショナーを使うことでまっすぐに入れることができます。
何か持たせたくなったので、キャンディの立体ステッカーをオン。
ひとまわり大きいサイズの2つ折りカードの表紙に貼り付けたら、魔女に仮装してハロウィンキャンディを持ち上げた楽しげな猫さんのミニカードになりました。
続いては、大きなお化けのスタンプを使ったミニカードです。
台紙よりも大きいので、ポジショナーに頼ってバランスよく配置します。
見える部分や角度によって雰囲気が変わるので、これは意図したところにスタンプしたいデザインです。
お化けには、「BOO!」。日本語で言う「いないいないばあ」の「ばあ」に当たる、人をおどかす時に使う言葉です。
スタンプたった2つ、インクも1色、ブラックのみ。シンプルだからこそ、バランスがうまくいくととても印象的なカードになります。
こちらもかなり大胆なカードになりそう!大きなかぼちゃのちょうちんお化け、ジャック・オー・ランタンのスタンプです。
カードの台紙と同じくらいの幅なので、スタンプを入れる位置には迷ったり失敗したりはなさそうです。ただし、凸面がとても広いので、インクがかすれずに均等につくかどうか心配です。
そんな時にもスタンプポジショナーは便利なんです。スタンプを押したら離す前に、L字型のハンドルを角に合わせます。
ハンドルを動かさないように気をつけて、スタンプを離してみます。インクパッドが古くて乾き気味だったこともあり、やはり心配していた通り、部分的に薄いところができてしまいました。力の掛け方が不均等だったのか、右端も欠けています。
本来なら離してしまったら同じところにもう一度着地させるなんて賭けのようなものですが、スタンプポジショナーのハンドルの角に合わせれば可能です。インクをしっかりつけて、もう一度スタンプ。
右端の欠けは直りましたが、まだ真ん中が薄いかなぁ。
3回目のスタンプ。
くっきりはっきり、濃いオレンジ色のパンプキンになりました。
クリアスタンプでフレーズを入れて…
2つ折りカードの表紙に貼り付ければ、いかにも!なハロウィンミニカードの完成です。
最後のミニカードは、魔女のデザイン。
月光を背景に浮かび上がったシルエットのデザインなので、これも真っ黒にスタンプしたいところ。
なので、1回めのスタンプをして離す前に、ポジショナーのハンドルを角に合わせて置きます。
離してみると、やっぱりちょっとインクが足りなかった様子です。
2度めのスタンプでくっきり真っ黒のシルエットになりました。
満月のスタンプは持っていないのだけれど、ちょうどいいサイズの丸のスタンプがありました。
大丈夫だとは思うけれど、一度離したら同じところには重ねられないので、念のためL字型のハンドルを合わせて置きます。
これなら2度押ししなくても良さそう。必要なさそうでも、とりあえず保険の目的でハンドルを置くのを習慣にしておくと、失敗率を下げることができます。
月の手前に入れるフレーズは真っ直ぐ確実に配置したいので、スタンプポジショナーのガイドを使います。
こうもりも飛ばしましょう。私の持っているスタンプは、2つ一緒に並んだデザインです。
別々にしてスペースを開けたいので、ウッドの持ち手からそっと剥がしてアクリルブロックに貼り付けました。
これなら自由にこうもりを飛ばすことができます。
不気味さが出ているかしら?満月の空をこうもりと飛ぶ魔女のミニカードの完成です。
材料や道具をめいっぱい使って盛大に飾ったカードももちろん良いけれど、スタンプを押しただけの潔いほどシンプルなカードも素敵なものです。ミニマムな道具と技で作ったカードこそ、構図のキレと丁寧さ含むクラフツマンシップが大切です。
インクのかすれや欠けの一切ない、くっきりと入ったソリッドスタンプ。傾くことなくまっすぐに配置されたフレーズスタンプ。それだけでハッとするようなカードが作れることもあるのです。
ほんの数ミリの位置の差で印象が変わってくるような場面では、スタンプポジショナーに頼るのが一番。凸面の広いスタンプを使う時も、2度押し、3度押しができるよう、保険のようにハンドルを使うと良いでしょう。
慣れないと遠回りのように感じられるかもしれませんが、失敗が防げて材料の無駄も避けられるので、ぜひスタンプポジショナーを使ったスタンプクラフトを試してみてください。「急がば回れ」はスタンプにも言える諺です。