目次
- 1.材料と道具
- 2.作り方
- 3.まとめ
お掃除などの家事をする際に汚れの付け入る隙を与えない無敵の構造が人気の割烹着。上半身から膝まで布で覆うので、袖口だけでなく服全体が汚れません。大切なお洋服の保護になるだけでなく、お料理の際のにおい移りを防いでくれる優れものです。
今回は、型紙なしで直接布に線を描いてカットして作る割烹着のレシピをご紹介いたします。
完成サイズは丈(肩から裾まで)が95cmで、平置きした時の身幅は56㎝です。襟ぐりと腰に紐を付けているので、体型に合わせて紐の長さを調節することができます。厚手の服の上からでも着用しやすいゆったりサイズです!
家事の強い味方、型紙いらずの割烹着の作り方をポイントも合わせてご説明いたします。
生地(綿麻キャンバス生地)
〈前身頃〉 W58 H99㎝(1枚)
〈後ろ身頃〉 W31.5 H99㎝(2枚)
〈袖〉 W55 H54㎝(2枚)
〈ポケット〉 W19 H21㎝(2枚)
〈紐〉 W5 H45㎝(4枚)
袖用ゴム(20cm)
ゴム通し
裁ちばさみ
定規
アイロン定規
チャコペン
待ち針
ミシン針(11番)
ミシン糸(60番)
目打ち
ミシン
アイロン
最小限必要な生地のサイズは、110x210cm。布幅が違う場合、または柄合わせをしたいのであれば、必要に応じて長めに用意します。
前身頃には、99x58cmの生地を1枚用意します。後ろ見頃には、99x31.5cmの生地が2枚必要です。
袖の生地は、55x54cmにカット。2枚用意します。
紐用には、45x5cmの生地を4本枚カットします。
ポケットの生地サイズは21x19cm。2枚用意します。
前身頃と後ろ身頃の製図です。
前身頃の生地を裁断します。左右を一度にカットできるよう、生地を中表に半分に折ります。ずれないように待ち針で固定し、生地の輪を左側にして置きます。
左上の角から右に9cm、下に10cmの位置に印を付け、それぞれ垂直に延長線を引いて長方形を描きます。
描いた長方形の右下の角から左斜め上に向けて45度の線を引き、3.5cmの位置に印を付けます。
3点の印を繋いで滑らかな曲線を描きます。
輪から9cmの印よりさらに14.5cm右に進んだところに印を付けます。
付けた印から垂直に3.5cmの線を引きます。
輪から9cmの位置の印と直線で繋ぎます。
右上の角から29cm下に0.5cm幅の印を付けます。
この印と3.5cmの印を直線で繋ぎます。
0.5cm幅の印の左端から直線上に8cmの位置に印を付けます。
直線に対して左側へ垂直に4.5cmの線を引きます。
3.5cmの印から直線上に8.5cmの位置に印を付けます。
直線に対して左側へ垂直に3cmの線を引きます。
付けた4点の印を繋いで滑らかなカーブを描きます。
重ねたまま線に沿って生地をカットします。
前身頃をカットしました。
後ろ頃の生地を裁断します。前身頃のカット同様、生地を中表に半分に折り、ずれないように待ち針で固定します。
左上の角から右に11.5cm、下に3cmの位置に印を付け、それぞれ垂直に延長線を引いて長方形を描きます。
描いた長方形の右下の角から左斜め上に向けて45度の線を引き、1.5cmの位置に印を付けます。
右下の角から左に6cmの位置に印を付け、3点の印を繋いで滑らかな曲線を描きます。
描いたカーブの右端から右へ14.5cmの位置に印を付けます。
付けた印から垂直に3.5cmの線を引き、カーブの右端と直線で繋ぎます。
生地の右上の角から下へ29cmの位置に0.5cm幅の印を付けます。
この印と3.5cmの印を直線で繋ぎます。
0.5cm幅の印の左端から直線上に8cmの位置に印を付けます。
直線に対して左側へ垂直に4cmの線を引きます。
3.5cmの印から直線上に10cmの位置に印を付けます。
直線に対して左側へ垂直に3cmの線を引きます。
付けた4点の印を繋いで滑らかなカーブを描きます。
重ねたまま線に沿って生地をカットします。
後ろ身頃をカットしました。
次に袖を裁断します。製図です。
両袖を左右対称に一度にカットできるよう、生地を中表に半分に折ってずれないように待ち針で固定します。
半分に折り、アイロンで中心線を付けます。
両側の上の角から下へ9cmの位置に印を付け、生地の上端の中央からそれぞれ左右へ直線で繋ぎます。中央線の右が袖の前側、左が後側となります。
袖の前側に引いた直線の中央に印を付けます。印と印の真ん中にもうひとつ印を付けます。
この印から垂直に1cm上の位置にも印を付けます。
直線の中央と右の布端の真ん中に印を付けます。そこから垂直に0.5cm下にも印を付けます。
付けた5点の印を繋いで緩やかなカーブ線を描きます。
袖の後ろ側に引いた直線は、3等分の位置に印を付けます。
中央寄りの印から垂直に1cm上の位置に印を付けます。もうひとつの印から垂直に0.5cm下の位置にも印を付けます。
付けた4点の印を繋いで緩やかなカーブ線を描きます。
袖口は、線を引く前に縫い代分を確保します。布端から3cmの位置で折り上げ、待ち針で固定します。
生地の中心から左右それぞれ17.5cmの位置に印を付けます。
この印と上の布端の印を直線で繋げます。反対側も同様に行います。
袖口の縫い代を折ったままの状態で線に沿ってカットします。
袖の生地をカットしました。前後が決まっているので、間違えのないようテープなどで印を付けましょう。
残った生地を使用して見返しを作ります。まずは前身頃の見返しをカットします。生地を2つに折りたたみ、左側に輪が来るように置きます。
輪を合わせて前身頃の生地を上に乗せ、襟ぐりと肩の線をなぞります。
襟ぐりの線から4cm内側に点線を付けます。
点線を繋いでカーブを描き、待ち針で固定します。
線に沿ってカットします。
前身頃の見返しをカットしました。
後ろ身頃の見返しの生地をカットします。後ろ身頃には左右対称の2枚の見返しが必要です。中表に重ねた生地の上に後ろ身頃の生地を乗せ、輪郭に沿ってなぞります。
襟ぐりの線から4cm内側に点線を付け、繋いでカーブを描きます。
待ち針で固定し、カットします。
余分な縫い代をカットします。左端から1.5cmのところに縦線を引きます。
カットします。
後ろ身頃の見返しができました。左右対称になっています。
襟ぐりは伸びやすいため、見返しに同じサイズにカットした接着芯を貼ります。今回は布タイプの薄めの接着芯を使用しています(接着芯の選び方と貼り方はこちら)。
見返しを縫い合わせます。肩の部分の布端を合わせて中表に重ね、待ち針で固定します。
縫い代1cmで縫い合わせます。
縫い代をアイロンで割ります。
外側の生地端がほつれないよう、ジグザグミシンまたはロックミシンをかけます(布端の処理の仕方はこちら)。
飛び出している縫い代をカットします。糸を切らないように注意しましょう。
紐を作ります。生地の表を下にして置き、片側のみ生地端を1cm折ってアイロンで折り目を付けます。
半分に折って折り目を付けます。
生地を開き、中心に向かって両端を折ります。
半分に折ります。
縫い代2mmで縫い合わせます。輪の側は縫いません。
残りの3本の紐も同様に作ります。
ポケットを作ります。ポケット口を1cm折り、アイロンで折り目を付けます。
さらに1.5cm折って三つ折りにします。もう1枚も同様に折ります。
折り目の内側を縫い代1mmで縫います。
ポケットの両端と底の部分を1cm折り、アイロンで押さえます。もう1枚も同様に折ります。
ポケットを前身頃に付けます。前身頃の中心が分かるように半分に折り、アイロンで折り目を付けます。
上から40cmのところに印を付けます。
中心から左右それぞれ8cmの位置に印を付けます。
印とポケットの内側の角を合わせ、待ち針で固定します。
ポケットの端を縫い代2mmで縫います。
ポケットの端を縫いました。ポケット口の端部分は取れないように数回重ねて縫うか、三角に縫うなどして補強しましょう。
後ろ身頃の中心を折ります。生地の表を下にして置き、1cm折ります。
さらに1.5cm折り、三つ折りにしてアイロンで押さえます。もう1枚も同様に折ります。
身頃の肩を縫い合わせます。前身頃と後ろ身頃の生地を中表になるように重ね、肩を合わせて固定します。
固定したところを縫い代1cmで縫います。
縫い代1cmで肩を縫いました。
縫い代には2枚一緒にジグザグミシンまたはロックミシンをかけ、ほつれないように始末します。
肩の縫い代を後ろ身頃側に倒してアイロンで押さえます。
見返しを付けて襟ぐりを縫います。表を上に向けて身頃の生地を置きます。見返しを中表に重ね、肩の切り替え部分を合わせて待ち針で固定します。
内側の生地端を揃えて固定します。
三つ折りにした後ろ身頃の折り目をいったん開き、生地端から2.5cmの位置に線を引きます。この線は身頃の折り目に重なります。
紐を見返しと裏身頃の間に挟みます。紐を見返しの表面の中央に置きます。紐は切りっぱなしになっている方を挟みましょう。
裏身頃と見返しで紐を挟んで固定します。反対側も同様に挟んで固定します。
襟ぐりを縫い代1cmで縫います。見返しの端から襟ぐりに向かって真っすぐ縫い始め、続いて襟ぐりをぐるりと進めます。最後は襟ぐりから見返しの端に向かって縫います。
縫い代1cmで縫いました。
内側のカーブに細かく切り込みを入れます。縫い目を切らないよう注意しましょう。
見返しの角の余分な縫い代を斜めにカットします。身頃生地をカットしないように注意しましょう。
身頃と見返しの切り替え部分をアイロンで押さえます。
見返しを返し、角を目打ちなどを使って整えます。
身頃の表側を下にして見返しを外表に返します。この時身頃の生地が1〜2mm高くなるようにずらすと、表からの見栄えが良くなります。
待ち針で固定します。
いったん開いた後ろ身頃の中心の三つ折りを戻し、見返しで挟んで待ち針で固定します。
見返しの少し下に三つ折りがくるように待ち針で固定し、固定していない部分は三つ折りを開きます。
見返しの端の0.5cm内側を縫います。
見返しを縫い付けました。
次に袖を作ります。袖口の縫い代を三つ折りにします。生地の表を下に向けて置き、袖口を1cm折ってアイロンで押さえます。
さらに2cm折り、アイロンで折り目を付けて三つ折りにします。
折った際に飛び出ている生地はカットします。
もう1枚も同様に袖口を三つ折りにします。
身頃と袖を縫い合わせます。袖の中心が分かるようにハサミで切り込み印を入れます。
身頃の肩の縫い目と袖山の中心の切り込み印を合わせ、中表に重ねて固定します。
両端を合わせて固定します。
カーブも固定します。中心から徐々に外側へと、布端を合わせながら待ち針で止めます。長さがぴったり合わない場合は、短い方の生地に合わせて飛び出た部分をハサミで切り落とします。
縫い代1cmで縫います。
縫い代を2枚一緒にジグザグミシンまたはロックミシンで処理します。反対の袖も同様に縫い付けます。
身頃と袖を縫い合わせました。
袖下から脇にかけて縫います。
袖と身頃の繋ぎ目の縫い代を身頃側に倒して合わせ、待ち針で止めます。
袖口の三つ折りを開き、生地端を合わせて固定します。
袖下から脇にかけて生地端を数か所固定します。反対側も同様に行います。
縫い代1cmで縫います。袖口にはゴムの通し口を残します。袖端から1cm縫い、2cmの通し口を残して裾まで縫い進めます。
袖下から脇、裾にかけて縫い代1cmで縫います。
袖口はゴムの通し口を残して縫いました。反対側も同様に行います。
袖口のゴム通し口から内側に0.5cmのところに切り込みを入れます。切り込みから袖下にかけて、縫い代を2枚一緒にジグザグミシンまたはロックミシンで端の処理をします。反対側も同様に行います。
袖の縫い代をロックミシンで処理しました。
袖口を三つ折りにして縫います。切り込みから袖口までの縫い代をアイロンで割ります。切り込みから裾までの縫い代は後ろ身頃側に倒しましょう。
三つ折りを戻し、待ち針で固定します。
折り目の内側を縫い代2mmで縫います。
折り目の内側を縫いました。反対側も同様に行います。
袖口にゴムを通します。今回は20cmにカットして使用していますが、着る方に合わせて長さを変えましょう。
ゴムの端を1~2cm重ねて手縫いします。反対側も同様に行います。
後ろ身頃の中心を縫います。予め付いている折り目に沿って三つ折りにし、固定します。
紐も一緒に縫い付けます。襟ぐりから42cmの位置に印を付けます。
印と紐の上を合わせて紐を0.5cm差し込み、三つ折りの折り込みと挟んで固定します。紐は切りっぱなしになっている方を挟みましょう。
折り目の内側を縫い代2mmで縫います。襟ぐりの上から縫いましょう。
外側に向いている紐を折り返して内側に向けて固定します。
折り返した紐の端を数回縫います。反対側も同様に行います。
裾を三つ折りにして縫います。脇の縫い代は後ろ身頃側に倒し、裾を1cm折ります。
さらに2cm折って三つ折りにします。
折り目の内側を縫い代2mmで縫います。
生地を外表に返します。
完成です。
型紙を使わず直接布に線を描いてカットして仕上げる割烹着のレシピをご紹介いたしました。フリーサイズのレシピですが、襟ぐりと腰に付けた紐でサイズを調節できます。紐を緩めに結べば、被って快適に着用できます。
レシピの生地は透け感のない無地の綿麻シャンバス生地を使用しています。
繰り返し使用するので洗濯してもしわが目立たない生地を選ぶことをお勧めします。お気に入りの生地を見つけてアレンジを楽しみましょう。
無地の生地を使用する際は、表裏どちらかにテープを貼るなどして間違えないようにしましょう。特に袖の生地は前後があるので注意が必要です。
ポケットを作る前に生地端がほつれてしまう場合は、袋口を除いた3辺にジグザグミシンをかけると防ぐことができます。
型紙を使わずに生地をカットしているので、身頃生地と袖生地のカーブが綺麗に合わない場合があります。その際は一度端同士を合わせて固定し、固定後に長さが合わない場合は余った生地を短い生地に合わせてカットしましょう。
型紙いらずの割烹着。お好きな布を使ってお誕生日、母の日、敬老の日などのプレゼントに作ってみてはいかがでしょうか?