目次
- 1.材料と道具
- 2.作り方
- 3.まとめ
厚手のペーパーにシワを入れることなくきれいな折り目をつけるためツール、スコアリングボード。基本作業の「切る」、「折る」、「貼る」のうちの「折る」を担うペーパークラフトの基本の道具です。なくても紙は折れるけれど、あったほうが断然カードメイキングがよりスムーズに、より楽しくなります。
ペーパーに折り目をつける地味で実用的な道具ではありますが、実は装飾的な使い方もできるんです。ボードに乗せてスタイラスですじを付けて入れるスコアラインは、エンボス加工と一緒です。つまり、凸凹模様が入れられるのです。
スコアリングボードとスタイラスを用いて無地のペーパーに凸凹模様のフレーミングをしたりストライプや格子模様を入れる方法をご紹介いたします。
・スコアリングボード
・スタイラスまたはボーンフォルダー
・(あれば)ワックスペーパー
・ペーパー
カードに仕上げる場合
・スタンプ
・2つ折りカード
・テープのり
カードの表紙になる無地のペーパー。このまま背景として使うことが多いですが、インクを使ってカラフルにしたい時もあります。無地のままではちょっと寂しい、でも色は加えたくない、という場面に最適なのが、エンボス加工。エンボシングフォルダー(使い方はこちら)で凸凹模様を付けるのも良いですが、基本ツール、スコアリングボードでもなかなか美しいエンボス加工が可能なのです。
スコアリングボードの左上の目盛り0のところにペーパーの角を合わせます。
ひと目盛りは、1/8インチ(3mm強)。ここにスタイラスを当て、スコアラインを引きます。
反対側にも、ペーパーの端からひとつめの目盛りにスコアラインを入れます。
ペーパーを90度回転させ、縦横の向き変えます。
スコアリングボードの左上の目盛り0のところにペーパーの角を合わせ、スタイラスでラインを入れます。
反対側にも同様にラインを入れれば、カードのマットに凸凹模様のフレームが出来ました。
色ではなく影のライン、しかもほんの1本のラインですが、これのおかげでカードの焦点が真ん中に来ます。これくらいのさりげないフレーミングがちょうどいいということは、カードメイキングをしているとよくあります。
これはなくてもOKですが、あればワックスペーパーを使うとラインが入れやすくなります。
小さくカットしたワックスペーパーをペーパーの表面に擦ります。これだけでかなり滑りが良くなり、スタイラスがスムーズに走ります。
ひとつめと2つめの目盛り(ペーパーの端から3mm強と6mm強の位置)をスコアリングした、ダブルラインのフレーム。これくらいだと、装飾性のあるフォントならフレーズのみのデザインでも良さそうです。
私が特に気に入っている方法です。ペーパーの端からラインを入れるのではなく、目盛りひとつ分の長さ(ここでは3mm強)を残してスタイラスを当ててスコアリングします。
最後も3mm強残して止めます。
これを4辺に繰り返すと、こんなふうに1本線で囲うようなデザインになるんです。
大判のスコアリングボードには、封筒作りのための三角形のパーツが付いてきます。これを使うとさらに複雑なスコアライン模様を入れることが可能です。
三角のパーツをスコアリングボードの左上の目盛り0のところにきちっと合わせます。
ペーパーの角を、三角形の角(どちらでもOK)に合わせます。
等間隔にスコアラインを引きます。ここでは3/4インチ(約19mm)ごとに入れています。
斜めストライプ模様に。
さらにペーパーを90度回転させてセッティングし直し、同じ作業を繰り返せば…
格子柄になりました。まるでエンボシングフォルダーで加工したような出来栄えです。
これをカードの背景にする場合には、順序に少し気をつけます。と言いますのも、凸凹模様をつけた後にスタンプすると欠けてしまう可能性があるからです。
その場合は、スタンプを先にします。
フラットな状態でスタンプをしてから…
スコアリングします。ボードに乗せるときは、向きにご注意。凸模様を表にするには、スタンプを入れた表面を下にして伏せるようにボードにセッティングする必要があります。
角に合わせてスコアリングすれば…
格子模様の出来上がり。
あとは通常通りにカードの仕上げができます。
なくてもできないことはないけれど、あれば断然ペーパークラフトがよりスムーズに、そしてより楽しくなる基本のツール、スコアリングボード。厚手のペーパーにもしわを寄せずにくっきりはっきりとした折り線をつけるための道具ですが、ここでは装飾的な使い方をご紹介いたしました。
溝の幅が最小3mm強と狭いので、ペーパーの端っこに凸凹ラインが入れられるのが良いところ。無地のまま使うにはちょっと寂しい、でも色を加えた背景にはしたくない、という場面にもってこいの方法がエンボス加工で、スコアリングボードがあればさりげなく上品なフレーミングが可能です。
ラインを2本、3本と増やすことで、さらに装飾性が高まります。それだけで十分な存在感になるので、フォントやサイズによってはフレーズだけのカードデザインも楽しめます。ウェディングなど、真っ白に仕上げたい時にも影模様は最適ですね。
お持ちであればワックスペーパーを使うとより作業がしやすくなります。小さくカットしてペーパーの表面を擦ることで、スタイラスの滑りが良くなってスコアラインがスムーズに入ります。
スタンプでカードを仕上げたい場合は、作業の順序にご注意が必要です。凸凹模様を入れた後だとスタンプが部分的に欠けてしまう場合があるのです。その場合は先にスタンプをし、ペーパーを伏せるようにスコアリングボードにセッティングしてラインを入れます。
2つ折りカードを作るなど、厚手のペーパーにしわを寄せずに折り目をつけるための道具、スコアリングボード。せっかくお持ちなら、デコラティブな使い方にもチャレンジしてみませんか?カードデザインの幅がぐんと広がります。