目次
- 1.材料と道具
- 2.作り方
- 3.まとめ
スタンプを繰り返し押すときはその都度インクを付け足しますが、あえてうっすら残ったインクのみで次のスタンプをするというテクニックがあります。セカンドジェネレーションスタンピング(second generation stamping)という手法です。
絵筆でさっと払ったようなデザインのスタンプを使い、印面に残ったインクで2度め、3度めと繰り返し押してニュアンスのあるアブストラクト画のカードを作りました。
・スタンプ
・アクリルブロック
・インクパッド
・ペーパー
・2つ折りカード
・テープのり
・フレーズのスタンプ(またはダイカットしたもの)
・ペン型ののり(ダイカットパーツを貼る場合)
大きなブラシでさっと払ったようなデザインのスタンプは、地味だけれど背景作りや影付けにとても役立ちます。フローラ&フォーナ社のテクスチャ(Texture)のシリーズは大好きで集めています。
1回めのスタンプをします。スタンプの印面にインクを付けて…
普通にペーパーに押します。
ファーストジェネレーション(第1世代)です。
繰り返し押す場合はここでインクを付け直しますが、あえてうっすらと残っているインクのみで…
もう1度スタンプします。
2度めは当然淡くなっています。これがセカンドジェネレーションスタンピングです。同じインクで濃淡が楽しめる、というわけです。
さすがにインクを付け直さずに2度スタンプした後はほどんど残っていませんが、発色の良いインクなら…
サードジェネレーション(第3世代)も可能。
同じインクで3段階の濃淡が表現できました。
ペーパー全体に、ファースト、セカンド、サードジェネレーションスタンピング。
セカンドジェネレーションの濃さが欲しければ、別紙に1回めを押してインクを落としてから…
カード台紙へ。これで好みの濃淡のバランスが実現します。
2色めのイエローも、ファースト、セカンド、サードジェネレーションスタンピング。
たった2色しか使っていないとは思えないニュアンスと奥行きが出せました。
2枚めのカードは、テクスチャスタンプセットに入っていたドットを使いましょう。スターダストという渋みのある黄土色です。
ファーストジェネレーション…
インクを付け直さずにちょっとずらしてセカンドジェネレーション…
さらにそのままサードジェネレーションスタンピング。
1色のインクから3段階の濃淡が出せました。
全体を埋めていきます。
2色めはパープルを使いたかったのですが、私の理想よりも濃かったので…
セカンドジェネレーションスタンピングからスタートしました。
インクを付けるたびに別紙に落としてからスタンプし、セカンドとサードジェネレーションのみで仕上げました。
3枚めのカードは、ピーチカラーと…
ミントグリーンのフレッシュな組み合わせ。いずれのカラーも3回ずつ押して濃淡を出しています。
カードに仕上げる場合は、フレーズのスタンプを入れます。スタンプ&ダイカットで作り置きしたフレーズのパーツがあれば手軽です(作り方はこちら)。
接着には、ペン型ののりを使うとはみ出したりせずきれいに仕上がります。裏側全体をのり付けする必要はありません。剥がれやすい角を塗り残さないように注意しながら、点で置いていく感じで付けます。
フレーズを乗せたら、ペーパーの裏側にテープのりをつけて2つ折りのカード(作り方はこちら)の表紙に貼り付けます。
アブストラクトのカードの完成です。
2枚めと3枚めにも、それぞれフレーズを合わせてカードに仕上げます。
スタンプした後、インクを付け直さずに2回めを押して濃淡を楽しむのが、セカンドジェネレーションスタンピング。ここではその濃淡を直接的に表現する使い方をしましたが、あまり目立たせたくない時や1段階薄い色が欲しい際に別紙やペーパータオルに1回押して、インクを半分くらい落としてからスタンプすることもよくあります。
セカンドジェネレーションスタンピングには、向いているインクとそうでないインクがあります。中には1回押しただけですっかりインクが移ってきれいになってしまい、2回めには何も付かないものもあります。同じメーカーの同じシリーズでも、セット内でも、色によってかなり差があるので、お手持ちのインクで試してみると良いと思います。
空や草原、桜など、同じ色相の濃淡で奥行きや複雑さを表現したい時にぴったりのスタンプテクニックです。