目次
- 1.材料と道具
- 2.作り方
- 3.まとめ
カード作りにはスタンプが最もよく使われますが、ステンシルも人気があります。ハートや星形、お花などのモチーフやアルファベットなどが切り抜かれた薄いシートをペーパーに乗せ、上からインクをつけて模様を写すのがステンシル。原理はとても簡単です。
インクのアプリケーション方法は、スポンジ、ブラシ、スプレーなどなど、今思い付くだけでも7、8種類。それぞれに長所と短所があるので、ステンシルのデザインや用途、表現したいイメージなどに応じて使い分けています。
今日は4種類の方法をご紹介いたします。
・ステンシル
・インクパッド
・スポンジダウバー
・インクブレンディングツール
・ブレンディングブラシ
七夕にちなんで、大小のお星さまのステンシルを使いましょう。
ステンシルを使う時は、インクをつけている時にペーパーがずれないよう、仮止めテープやマスキングテープなどでカードを固定します。
直接テーブルに固定してもよいですが、チラシなど要らない紙を使うとそれ自体を回転させられるので、インクがつけやすくなります。
ペーパーの上にステンシルをかぶせ、マスキングテープなどで止めます。これで下のペーパーもステンシルもずれません。
ひとつめの方法は、アプリケーションの道具を使わないDTPというインキング方法です。小さいインクパッドが向いています。
DTPとは、Direct To Paperの頭文字を取ったもの。ペーパーに直接、という意味のスタンプ用語です。
インクパッドを逆さまにして、ステンシルの上から直接擦ります。ピンポイントでインキングしたい場合は、しずく型をしたパッドが便利です。
色を変えるのも、別のインクパッドに持ち替えるだけなので手軽です。
道具なしでステンシルができました。DTPでのステンシルは、のっぺりとした平面的な、プリントのような雰囲気が魅力です。
道具を使わないので、いちばん手っ取り早くステンシルが楽しめる方法です。
次の方法では、スポンジダウバーというツールを使います。
先が丸くスポンジで覆われているアプリケーター。こんなふうに指にはめて使います。
パッドに何度か押し付けてスポンジにインクを取って…
ポンポンポンと色をつけていきます。
インクパッドを直接擦る方法との違いは、強弱がつけやすいこと。全体にうっすらインクをつけたところでストップすれば…
淡い色に仕上がります。
同じところを何度も重ねるようにインクを叩けば…
しっかりめの色味になります。
強弱を変えて、3シェードのお星さまになりました。どれも同じ色のインクパッドでステンシルしています。
スポンジダウバーはいくつか用意して、色ごとに使い分けるとインクが混ざらず長く使えます。
スポンジダウバーは、日本製。文房具店などでも扱いがあり、比較的安価です。気軽に買い足しができるところもスポンジダウバーの利点でしょうか。
次は、カードクラフターさんたちの間で絶大な人気を誇るステンシル方法。インクブレンディングツールと呼ばれる、ウッドのハンドルがついたスポンジパッドのアプリケーターを使います。
スポンジにインクをとって…
螺旋を描くようにくるくると回しながらインクを移します。
インクブレンディングツールの強みは、綺麗なグラデーションができること。青空や夕焼け空など、ステンシルを使わずにこれだけで背景を埋めることもあります。
濃いピンク、薄いピンク、オレンジの3色を使って、オンブレ効果を出しました。
インクブレンディングツールはスポンジダウバーと違ってパッドが取り外せるので、本体ひとつで複数のインクに使えます。
続いては、私が今、いちばん夢中になっている方法です。ブレンダーブラシという、比較的新しいツールを使います。
ブレンダーブラシは極細のブリストルがみっしりと埋め込まれたブラシで、こんもりと丸くカットされているのが特徴です。
ハンドルがカーブしているので持ちやすく、手が疲れません。
パッドを擦ってブラシにインクを取り…
螺旋を描くようにくるくると回しながらインクを移します。
スポンジパッドのインクブレンディングツール同様、このブラシも綺麗なグラデーションが作れるのが魅力です。
スポンジよりも、ブラシの方がコツ要らず。力加減や方向などあまり気にせずにくるくるしても、美しい濃淡が表現できます。
反対側から、ピンクのインクでグラデーション。
さらにブルーも取り入れて…
ゆめ可愛いふんわりしたイメージになりました。
インクブレンディングツールで作ったものと並べてみましょう。左がブラシ、右がスポンジパッド。どちらも綺麗なオンブレ効果が出ています。
でもよくみると違いがわかります。薄いシートでできていると言っても、ステンシルには厚みがあります。ブラシの場合(パープル)、極細のブリストルが隙間に届くので星の角まできっちり出ていますが、スポンジパッド(ピンク)は届かないので輪郭がぼんやりしています。
星の大きさも、ブラシを使った方はほぼステンシルの切り抜きと同じサイズになっていますが、細部まで届いていないスポンジパッドでは小さめに仕上がっています。
ステンシルのデザインや好みの雰囲気に合わせ、使い分けると良いと思います。
カード作りの手法として人気のあるステンシル。今日は4種類のアプリケーション方法をご紹介いたしました。
ツール要らずでインクパッドさえあればすぐに試せるDTPは、いちばんお手軽でお手頃なステンシル方法。平面的でのっぺりとした、プリントのような印象に仕上がるのが魅力です。
日本の文房具店のスタンプコーナーなどでも見かけるスポンジダウバーは、比較的安価で手に入りやすい、気軽なステンシル方法。強弱がつけられるのがポイントです。
ブレンディングツールは、アメリカのペーパークラフターさんの間ではマストアイテムのひとつになっている人気ツール。グラデーションがとても綺麗に表現できるのが強みです。
そしてブレンダーブラシ。セット売りのみなのでお値段は張りますが、さすがスタンプメーカーが開発した専門ツールだけあり、使いやすくて仕上がりも大満足!私はこれのおかげでますますステンシルが好きになりました。
アプリケーターには、それぞれに利点があります。ぜひお好みの方法を見つけ、ステンシルをペーパークラフトに取り入れてみてはいかがでしょうか。