目次
- 1.材料と道具
- 2.作り方
- 3.まとめ
久しぶりのかぎ編みで作ったスワッチをエコたわしとして食器洗いに使ってみたら、小回りが効くのでスポンジでは届きにくいところもきれいになるし、評判通り、軽く擦るだけで茶渋もよく落ちる!
でももう少し厚みがあって、がっしりとつかめる感じだともっといいかも?
そこで思い出したのが、凸凹がしっかりと出て編地に厚みと弾力を与える編み方、バックループステッチ。
日本語ではうね(畝)編みと呼ぶようです。
うねとは、言い得て妙!
等間隔で土を盛り上げた畑のような印象になるのです。
1段ごとに色を変えて濃い緑と薄い緑でしましまに編んでいるのを見た夫に「スイカみたい」と言われ、冗談のつもりで丸くとじて綿を詰めてみたら、今度は「サボテン?」。
さっそくミニ鉢に入れてみたら、ピンクッションにぴったりではないですか!
ここではうね編みの方法の説明に集中するため1色バージョンで作ってみましたが、縦に入ったすじがリアルで、十分にサボテンです。
・緑色の毛糸
・ポリエステル綿
・かぎ針
・糸切りばさみ
・とじ針
・素焼きのミニ植木鉢(1〜2号)
玉結び代わりのほどけない輪、ベースになるくさり編み、そして1段めを編み終えるまでは細編み(かぎ針で細編みのスワッチを編んでみよう!)と同じです。
指で調節可能のループを作り…
結び目のすぐ下を押さえてループにかぎ針の頭を入れて…
下から時計の反対回りにぐるりと1周巻きつけて…
ループから引き出します。
これを繰り返して希望の長さになるまで編みます。
私は18目編みましたが、お使いになるミニ植木鉢のサイズやお好みの出来上がり寸法によって増減します。
くさり編みの長さでサボテンの高さが決まります。
まん丸で太っちょなサボテンにしたい場合は短めに、背丈のある縦長のサボテンにしたい場合は長めに編みます。
1段めを編み始めるには段を上る「ハシゴ」になるくさり編みがひとつ必要です。
私の場合は18目プラス1目で、合計19目のくさり編みになります。
かぎ針にかかっているループは勘定せず、2つめのくさりにかぎ針を入れて…
下から時計と反対回りにぐるっと巻いて…
針先に近い方のループのみから引き出します。
この時点では、編み針に2つのループがかかっています。
さらに時計と反対回りに1回巻いて…
今度は2つのループから一気に引き出します。
細編みがひとつ入りました。
もう17目編んで、合計18目の細編みができました。
2段めに上るため、ハシゴのくさりをひとつ。
編地をくるっとひっくり返して、最後に編んだ目が右側に来るように持ち替えます。
ここまでは、基本の細編みとまったく同じプロセスです。
うね編みは、ここから。
細編みの場合は横から見える編み目と編み目の隙間にかぎ針の頭を入れますが…
うね編みの場合は、真上からだと「V」の字のように見える編み目の中にかぎ針の頭を入れます。
この隙間です。
横から見た場合、2つあるループ(輪)のうちの後ろ側のひとつにだけ編み入れるような感覚なので、英語ではバックループステッチと呼ぶのです。
かぎ針を入れる場所が違うだけで、編み方は細編みとまったく一緒です。
時計と反対周りに毛糸をぐるっと巻いて…
針先に近い方のループのみから引き出して…
もう一度ぐるりと引っ掛けて…
今度は2つのループから一気に引き出します。
次の目にも、同様に編み入れていきます。
7目まで編んだところです。
残りの11目も編んでいきます。
18目編み終え、2段めが出来ました。
普通の細編みとの違い、いかがでしょうか?
2段くらいだと、うねの感じはまだそれほど顕著ではないかもしれません。
では3段めに上がります。
ハシゴ代わりのくさりをひとつ編んで…
編地をくるっとひっくり返して持ち直し、18目編みます。
3段めを編み終えたところ。
細編みとは確実に違うけれど、まだうねっぽさは感じられないかなぁ。
4段編むと、うねが2列できたのが分かります。
31段編んだら、うねが16列の畑になりました!
編む段数も、ベースにする植木鉢のサイズや希望の出来上がり寸法をもとに決めます。
長い辺はサボテンの幅と比例します。
私は縦に細長い形のサボテンにしたいので植木鉢の円周くらいで止めていますが、太っちょなまん丸のサボテンがお好みであれば段数を増やします。
伸縮性が高いので、詰める綿の量によって調節が効きます。
ですので数字にあまりこだわらなくても、長方形に仕上がっていれば問題なしです。
最初と最後の段を縫いとじて筒形にします。
うねの間隔が他と同じになるように重ねて…
並縫いでチクチク。
縫いとじたら…
残っている糸を切らずにそのまま次の作業に入ります。
ここでは分かりやすいように色を変えましょう。
編地のサイド(筒のてっぺん)をところどころすくって行きます。
等間隔だときれいに仕上がります。
ぐるりと1周します。
糸を引いて絞ります。
固く結びます。
糸端は編地の中に縫い込んでも、見えないところなので内側から出したかぎ針に掛けて中に引き込むだけでもOK。
反対側の口も同様に、てっぺんをぐるりと並縫いをします。
綿を詰めます。
糸を引いて絞ります。
見えないところなので、糸の始末は適当で大丈夫。
テラコッタのミニ植木鉢に入れて、形を整えます。
ここでもまた入れる深さで見た目のサイズと形の調整が効きます。
ギュッと深めに入れると寸胴でぽてっと可愛らしい印象に。
私はこれくらいが好みかな。
ボンドで固定しても、安定していればそのまま使っても良いと思います。
深さのあるピンクッションは長く使っていると縫針や刺繍針が中に潜って溜まってしまうので、私は固定せず、たまに中をチェックできるようにしておきます。
セル待ち針のお花が咲きました!
フェルトのお花(型紙要らずのフェルトのフリンジフラワーの作り方)をつけてもかわいいと思います。
テラコッタのミニ植木鉢をベースにしているので、安定感があって使いやすいサボテンのピンクッションになりました。
私は針を刺すために作りましたが、言ってみればサボテンのあみぐるみ。
お顔をつけてキャラクターにしたり、キーホルダーなどにリメイクしても良いと思います。
うね編みの練習がてら、ぜひ作ってみてください。