目次
- 1.材料と道具
- 2.作り方
- 3.まとめ
棒針編みにおける基本の減らし目を覚えれば、帽子の丸みやまち付きのバッグの底、セーターの肩の部分などに応用でき、作れるものの幅がぐんと広がります。ボウル状に編んでサテンリボンを通しただけの、簡単きんちゃく袋作りで練習します。英語の編み物用語もちょっぴり覚えちゃいましょう。
・毛糸
・短針5本(または4本)セット
・ハサミ
・とじ針
・サテンリボン
作り目から始めます(やり方はこちら)。英語では、作り目を「Cast On」(キャストオン)と言います。
45目の作り目が出来ました。目(数)に当たる単語は「stitch」(スティッチ)なので、出来たのは「45 stitches」。編み図では、「Cast on 45 stitches」となりますが、ほとんどの場合、省略語が使われますので、「CO 45 sts」と表記されます。
ひと目ずつ移し、4本(または3本)の針に分けます(やり方はこちら)。
ねじれないように気をつけて作り目を環状に整えて…
筒状に表編みをします。表編み(メリヤス編み)は、英語で「Knit」(ニット)。「K」と略され、1段めの編み図は「K45」となります。
希望の長さになるまで編みます。ここまでは、ニットのペンスタンドカバーの作り方とまったく同じです。目を減らしも増やしもせずに筒型に編んでいくので、最初の作り目と同数の45目(K45)で終えています。
ここから目を減らし、底を丸く編んでいきます。目を減らすことを、「Decrease」(ディクリース)といい、「Dec」と略されます。
右手に持った針の先に最初の編み目をひっかけて…
スリップ(Slip)させて(滑らせて)移します。
次の目も同様に右の針先にかけて…
スリップさせて(滑らせて)移動させます。
左手で持った針の先を右に移動させた2目に入れて…
右手の針に毛糸をぐるりと回し掛けて…
表編み(Knit)と同じように編むと、右手の針にあった2目が1目に減っています。
滑らせ、滑らせ、編む、の手順なので、英語ではSlip Slip Knit(スリップ、スリップ、ニット)。英語の編み図に「SSK」という省略語があったら、これのことです。日本語では、「右上2目1度」と呼びます。
次の5目は、普通に表編み(Knit)します。
スリップスリップニットが1回、表編みが5回なので、英語の編み図で言うと「SSK、K5」の状態になっています。
次の2目は、一緒に編んで1目に減らします。本来は最初の編み目に針先を入れるところですが、ここではなく…
針先から数えて2つめのここに針先を差し入れます。
2つの目に一緒に針先を入れ、通常通りの表編みをします。「2目を一緒に編む」ので、英語では「Knit two together」(ニットトゥートゥギャザー)、直訳ですね。K2Togと略されます。日本語では、左上2目1度と呼ばれます。
Slip Slip Knitが1回、Knitが5回、Knit 2 Togtherが1回で、9目だったのが7目に減っています。英語の編み図では、「SSK, K5, K2Tog」と表記されます。
「SSK, K5, K2Tog」をあと4回繰り返し、残りの36目を編むと…
底の部分の第1周めは、35目(35 sts)で終了します。
次の段(周)は、目を減らさず、普通にぐるりと表編みをします。
英語の編み図では、「K35」となります。
底の部分の3周めは、減らし目から始めます。最初の2つの編み目を右手の針にスリップ移動させて編み、1目に減らします(SSK)。
次の3目は、表編み(K3)。
次の2目は一緒に編みます(K2Tog)。
英語の編み図では、「SSK, K3, K2Tog」。7目が5目に減らされます。残りも同様に繰り返すと、35目あったのが25目(25 sts)になって終了です。
底の部分の4周めは、普通に表編み(K25)。
少しすぼまってきたのが分かります。
底の部分の5周めは、SSKから開始します。
「SSK, K1, K2Tog」で、5目を3目に減らします。これをあと4回繰り返します。
一緒に編みたい2目(K2Tog)が2本の針に分かれている場合は…
目を滑らせて同じ針に移動させると…
通常通りに編めて混乱しません。
底の部分の5周めは、15目(15 sts)で終了します。
次の6周めは、「SSK, K2Tog」で4目を2目に減らすのを繰り返します。
最後のSSKを編むと左手の針にはひと目しか残っていないので、表編み(K1)で終了します。
15目あったのが、8目に減っています。
糸端を処理できるくらいの長さを残してカットします。
とじ針に通し、時計回りに編み目のループに通します。
ループに通したら針を抜きながら、ぐるりと1周します。
8目すべてに通したら、糸端を引いて…
中心をとじます。
糸端を編地に埋めて処理します。
編み始めの糸端も同様に処理すれば、ボウル状の本体の出来上がりです。
きんちゃく袋に仕上げます。とじ針にサテンリボンを通して…
2目か3目ごとにぐし縫いします。
毛糸を割らないよう、あくまでも目と目の間に通すよう気をつけます。
1周したら、リボンをカットして…
結びます。
もう1本のサテンリボンを、反対側から針を入れて同じ編み目に通します。
カットして結べば…
丸底のニットのきんちゃく袋の完成です。
小さな単焦点レンズ入れになりました。
途中で色を変えてツートーンやストライプにしてもいいですね。
2目を一度に編んで目数を減らす方法は、編地そのもののシェイピングだけでなく模様編みの基礎にもなるので、上級を目指すならぜひ覚えたいテクニックのひとつです。ちょっぴりの英語レッスンを交えてご紹介いたしました。
最初の作り目を多くすれば、そのまんまニット帽子作りに応用できます。大きなポンポン(作り方はこちら)をつけて仕上げれば、次のウィンターシーズンが待ち遠しくなってしまいますね!