目次
- 1.材料と道具
- 2.作り方
- 3.まとめ
スクラップブッキングといえばアメリカのペーパークラフトの代表的存在ですが、使われるマテリアルは紙だけではありません。私が初めてチャレンジした2010年以来、さまざまな異素材に流行が来ては去るのを見てきました。
プラスチックやエナメルのボタン、缶バッジ、焼き絵の入ったウッドピース、シークイン(スパンコール)、メタルクリップなどなど、スクラップブッカーさんたちは「フォトアルバムに合わせるの?」というような紙以外の素材を取り合わせるのがとてもお上手です。
ペーパークラフトに出会う以前ファブリッククラフトを楽しんでいた私がとりわけ魅力的に感じたのは、紙に刺繍を入れるというコンセプトでした。束になった刺繍糸でほどよい立体感が生まれ、優しく温かい手触りも加わります。そして何より、無心でチクチクと作業をするのが楽しいこと!
秋物のペーパーコレクションの中にあった落ち葉のデザインのダイカットピースを見ていたら、急に思い出して葉脈にステッチを入れたくなりました。
布に刺繍するのと共通点もありますが、ペーパーならではの注意点もあります。基本のステッチの入れ方ときれいに仕上げるコツをご紹介いたします。
・市販のダイカットペーパー
・穴をあける道具(キリ、千枚通し、ピンなど)
・スポンジシート(または布を重ねたもの)
・刺繍糸
・刺繍針
・ハサミ
・マスキングテープ(またはセロファンテープ )
葉っぱのデザインのダイカットピースの葉脈に沿って、刺繍糸でステッチを入れていきます。
布への刺繍との最大の違いは、刺す穴をキリなどの道具で予めあけておくところです。普通の刺繍針をペーパーに刺すのは容易ではありません。無理にぐりぐりとこじ開けようとすると紙にしわが入ったり破けたりしてしまいます。
小さな穴があけられる先の尖ったものであればなんでもOK。私はクラフト用のピンを使いましたが、ダーニング針、画鋲でも同じようにできました。
穴をあける時は、ペーパーをスポンジシートや重ねた布などの上に置きます。
真上から垂直に下ろすように刺します。
ひとつめの穴があきました。
ステッチの長さはお好みで。私はなるべく等間隔にしていますが、長いステッチと短いステッチで変化をつけても面白いと思います。
そのままピンを刺すとスポンジに一緒に沈んでしまいそうな細い部分や小さなパーツは、間にもう1枚ペーパーを挟むとうまくいきます。
葉脈全体に穴が入りました。
細めの毛糸やシルクコード、コットントワインなどでも同様にできますが、ここでは刺繍に最も一般的な25番の糸を使います。
細すぎると穴が目立つので、3本〜6本取りにします。葉脈のラインに合わせ、ここでは3本取りに。
6本の束をふたつに分けるのではなく、糸を1本ずつ引き出して3本の束に揃え直した方がねじれにくく、きれいに仕上がります(糸の長さのガイドなど、詳しくはこちらへ)。
端から2つめの穴に、裏から針を刺します。
表から糸を引いて、裏の糸を短くします。
玉留めをしても良いですが、裏がごろごろするのが気になるようであればセロファンテープやマスキングテープなどを貼って抜けないようにします。ここも布の刺繍との違いです。
表に出した針を、ひとつめの穴に刺します。
これでひとつめのステッチが入りました。バックステッチという方法です。
端から3つめの穴に裏から針を刺して…
表に出し、ひとつめのステッチと同じ端から2つめの穴に刺します。
ステッチが2つ入りました。
これを繰り返し、全体をステッチします。
最終的にはのり付けしてしまうので、表から見えなければ裏はどうでもよし!なところも布への刺繍との違いでしょうか。
刺し終わりは裏のステッチにからげるか、テープで止めます。
テープを使う場合は、貼った後に残りの糸をカットして処理する方がやりやすいです。
できあがり。
ステッチの長さを半分にしたバージョンも作りました。
こちらの葉っぱは葉脈のラインが太めなので…
6本取りでステッチします。
端から2つめの穴に裏から刺して…
表に出して糸を引き、ひとつめのステッチ。
裏を止め、繰り返して全体にステッチを入れます。
6本取りのぽってりとした感じも可愛くて好きです。
バラの中心にもステッチを入れましょう。
プツプツとピンを刺して穴をあけます。
ここにフレンチノットを入れていきます。
裏から針を刺して表に出します。
裏をテープで止めます(玉留めでもOK)。
針の先に糸をぐるりと巻き付けます。
同じ穴に針先を戻します。
ぐるりと巻いた糸を針の根元にしっかり寄せ、指で押さえます。
裏から糸を引きます。
表に出ている糸が短くなったら押さえていた指を離し、そのまま止まるところまで引きます。
フレンチノットができました。
小さいノットは糸を1回、大きい方は2回巻き付けてサイズを変えています。
ちょっぴり立体、が私の理想のアルバム飾りです。
花瓶に入っていたドット模様もフレンチノットにして、テクスチャを加えました。
そのままでも十分に可愛いペーパーエンべリッシュメント。ひと手間加えてさらに手作り感アップ!ぜひトライしてみてください。