目次
- 1.材料と道具
- 2.作り方
- 3.まとめ
スタンプした画像には水彩絵具で色を付けることが圧倒的に多いのですが、カラーマーカーもたまに使います。今日は私には珍しい、コピックマーカーを使ったカード作りです。
アートやクラフト用のマーカーにはさまざまな種類があり、色バリエーションも豊かなのでついつい集めてしまいますが、実はマーカーでの色ぬりはあまり得意ではありません。絵の具と違って気軽に色をブレンドできないし、グラデーションも素人には簡単には出せません。広い面を塗るときに色むらができるのも苦手です。
しかし、クラフト業界の見本市やスタンプ会社主催のワークショップなどで触れる機会の多かったコピックマーカーには別の印象を持ちました。ブラシ式のペン先がとてもスムーズで、高度なテクニックを持たなくてもなんとなくグラデーションっぽくなり、何よりブラシの通り道がスッと消えてむらにならないのです。
日本製のコピックマーカーはアメリカでは倍ほどの値段なのであまりたくさんは持っていませんが、少ない色数でも奥行きと立体感が出せる方法でトナカイさんのクリスマスカードの作り方をご紹介いたします。もちろんコピック以外のマーカーや絵の具、色鉛筆などでも代用できます。
・トナカイさんのスタンプセット
・インクパッド
・アクリルブロック
・コピックマーカー(またはその他カラーメディア)
・(あれば)コーディネートダイ
・(ダイを使う場合)ダイカットマシン
・ハサミ
・ペーパー
・付箋
・仮止めテープのり
・テープのり
・2つ折りのカード
キラキラを加える場合
・グリッターグルー
・星形のコンフェッティまたはシークイン
・細く出せるクラフトグルー
・(あれば)クイックスティック
向かい合う2頭のトナカイさんが可愛いスタンプセットには白樺の木やホリデーライトも入っているので、背景もこれで作ります。
マーカーで色ぬりをしてカードを作る時は、使うマーカーの性質によってスタンプするインクパッドの種類も選ぶ必要があります。コピックマーカーにはツキネコ社のメメントが滲まず、安心です。
トナカイさんは色ぬりした後に切り取るので、扱いやすく小さくカットしたペーパーにスタンプします。
コピックマーカーのE34番、トースト(Toast)という色でトナカイさんのボディを茶色にします。
ペーパーを小さくカットして支えにくい場合は、別紙に仮止めテープのりで固定すると動かしやすくなります。
どこから塗り始めてもOK。
マーカーを持つ手の位置や角度は変えず、ペーパーの方を移動させたり回転させたりすると、常にブラシの先が見えるので塗り残しやはみ出しが防げます。
ブラシの通り道がくっきりと残り、不自然な色むらが出来ています。私はこれが嫌で、長いことマーカーを使ったカード作りを避けていました。
コピックマーカー、というよりアルコールマーカーの良いところは、色むらを緩和するために同じところを何度も擦れるところです。水性マーカーだと、水分でペーパーがもろもろしてくるので重ねるにも限りがあります。
ペーパーを傷めることなく、ブラシの通り道のすじが消えました。
ひたいの部分は数シェード濃くします。E34番より濃いインクに持ち替えても良いですが、同じ色を重ねる方が簡単だし自然です。
持っている本数が少なくても十分に遊べる理由のひとつです。
T7番、トナーグレイ(Toner Gray No.7)という濃いグレーでツノを塗ります。
もう1頭のトナカイさんはマフラーをしているので、R27番、カドミウムレッド(Cadmium Red)という赤で塗りました。
色ぬりが終わったら、ハサミで切り取るか、あればコーディネートダイでカットします。
ダイカットする場合は、ずれないようにマスキングテープを貼って固定します。
ダイカットマシン(使い方はこちら)に通します。
両方ともカットします。ハサミを使う場合は、ファシーカッティングのコツをご覧いただけたらと思います。
背景を作ります。カード台紙をそれより大きいペーパーに仮止めします。チラシなど要らない紙でOKです。
左右に白樺をスタンプします。
マスキングテクニックを使って奥行きを出します。付箋ののりのついたところに左側の枝が来るようにスタンプします。
左側だけ、輪郭に沿ってハサミで切り取ります。
カードにスタンプした白樺に重ねて…
その上から白樺を重ねます。
付箋を剥がします。先にスタンプした白樺が手前にあるような錯覚で、奥行きが出ています。
2本のグレーで白樺を塗ります。
T2番(Toner Gray No.2)でささっと全体に色をつけます。
むらになっても塗り残しがあっても大丈夫です。
2シェード濃いT4番(Toner Gray No.4)で、白樺の幹の左端から真ん中にかけてスッと引くように短いラインで影をつけます。
ペーパーの向きを変えてご自分のやりやすい角度にすると早いです。
全体に影がつき、右側から光が当たっているような印象になりました。
このままでも良いですが、私はもう一度薄い方のT2番(Toner Gray No.2)で擦り、なじませました。
雪の積もる地面は、T0番(Toner Gray No.0)でごく薄いグレーに。
マーカーを倒してブラシの腹で擦るとあっという間にカバーできます。
ここはむしろ色むらがあった方が自然に見えるので、くっきりとしたブラシのすじだけ処理すれば良いと思います。
ラメペンがあれば、光を反射する雪が表現できます。
ステラオブウィンクは、美しい光沢のあるラメインクの筆ペン。これはクリアですが、ホワイトでも良いでしょう。
写真では見えにくいですが、ところどころ、ほのかで上品なパールの輝きが入りました。
これは、ホリデーライトのスタンプピース。
木の枝に掛けるようにスタンプします。
星のオーナメントもぶら下げましょう。
まるで墨絵のような静けさです。このまま背景として使おうかとも思いましたが、やっぱりクリスマスなので…
グリッターグルーでカラフル&キラキラに。
スティックルズ(ラメのり)を、スタンプしたライトの上に点で置いていきます。
3色を交互に置きました。
星のオーナメントには、コンフェッティを重ねます。穴の空いていないシークイン(スパンコール)です。
ごく小さなパーツを拾って接着する場合は、クイックスティックというツールがあると便利です。
先端からちょびっと練り消しゴムが頭を出しているペン型ツール、と言ったらイメージが湧くでしょうか。細かいパーツを拾い上げるのが得意なのです。
ペーパーの方にボンドを付けて…
移します。ねり消しゴムより粘着力の高い方に定着する、というわけです。
クイックスティックの反対側は尖った先とヘラになっているので、位置や角度の微調整をしたり上から押し付けたりするのに使えます。
背景が出来たら、トナカイさんを並べて位置を決めます。
裏側にテープのりをつけて貼っても良いですが…
あればフォームステッカー(厚みのついた両面テープ)でポップアップさせましょう。
トナカイさんの裏側の数カ所に付けて…
バランスよく背景に配置します。
空いているところにフレーズスタンプを入れます。
裏側にテープのりを引いて…
2つ折りのカード(作り方はこちら)の表紙に貼り付ければ、トナカイさんのクリスマスカードの出来上がりです。
発色の良さで定評のあるコピックマーカーを用いてクリスマスカードを作りました。まだまだ苦手意識のあるマーカーでの色ぬりですが、とても楽しく作れて、調子に乗ってキラキラもたくさん追加してしまいました。
プロのイラストレーターさんや漫画家さんにも愛されるコピックマーカー。練習すれば高度な技でリアルな表現も可能だと思います。手始めに、ほんの数本でカード作りにトライしてみてはいかがでしょうか。