目次
- 1.材料と道具
- 2.作り方
- 3.まとめ
アメリカのヒーローアーツ社から昨年発売されたルッキンググラス(Looking Glass)は、カットしたピースを重ねてひとつのイメージを作る新しいダイのセット。あっという間に人気シリーズになり、今年の春のカタログにも新作がたくさん載っています。
カードの表紙に重ねて貼り付けてもいいけれど、本体をパンフレットのようにトリフォールド(巻き3つ折り)にしてレイヤーを強調してみました。仕掛けカードとまでは行かないけれど、受け取ったら開くのが楽しみなデザイン。
凝ろうと思えばいくらでも飾れるけれど、ここではプロセスを極力減らし、カラーペーパーを使ってシンプルに仕上げています。トリフォールドカードの作り方です。
・ルッキンググラスダイ
・正方形のネスティングダイ
・カラーペーパー(4色)
・マスキングテープ
・ダイカットマシン
・クックスティック(あれば)
・ペーパートリマー(あれば)
・スコアリングボード(あれば)
・スタイラス
・センタリングルーラー(あれば)
・ペン型などの細く出せるのり
・フレーズスタンプ
・アクリルブロック(クリアスタンプを使う場合)
・インクパッド
ヒーローアーツ社の新しいシリーズ、ルッキンググラスダイ。2インチ強の同じサイズの正方形のダイそれぞれにデザインの入った3枚セットです。
正方形のネスティングダイ(説明と使い方はこちら)も2つ使います。
ひとつは、ルッキンググラスダイにのりしろを残す程度の余裕を持たせてカットできる、2 3/8(2.375インチ、約6cm)のもの。
もうひとつは、ルッキンググラスダイでカットしたデザインピースをカード本体から覗かせる窓を開けるための2インチ(約5cm)のダイです。
この2つのダイを使って、仕上げに表紙に加えるフレームも作ります。
大きい方のスクエアのダイをカラーペーパーに乗せます。
その中に、ルッキンググラスダイを入れます。
ずれないようにマスキングテープで固定します。
ダイカットマシンにかけてカットします。パーツ作りまでは、ミニサイズのダイカットマシン、サイドキックでできます(使い方はこちら)。
ダイカットした後に小さなくずが取れない時は、ペーパーを歪めたり爪で摘んだりしようとせず、クイックスティックの後ろの先のような尖ったツールで突いて落とすとダメージがありません。
2つめ、3つめのダイも、それぞれカラーパーパーでカットします。
ここでは3色のペーパーを使いましたが、同じ色でもシンプルで大人っぽくなり、素敵です。また、白のカードストックや水彩画用紙でカットしてマーカーや絵の具で色をつけるのも良いアイデアです。
大小のスクエアを入れ子にして並べ、マスキングテープで固定してダイカットします。
仕上げの引き締めに使います。
カード本体を作ります。普段は4.25x5.5インチのA2と呼ばれるスタンダードサイズの2つ折りカードを作っていますが、それだと常備しているカードメイキング用のペーパーでは3つ折りにした時に長さが足りないので、ここではひとつ下のA1サイズを採択します。これもスタンダードなカードサイズのひとつで、A1よりも4-Barという名称で知られています。
4 Barサイズの長い辺(ここでは縦の長さ)は、4 7/8インチ(4.875インチ、約12.4cm)。レターサイズのカードストックの短い辺をその長さに合わせ、カットします。
ペーパートリマー(使い方と選び方はこちら)があればきれいに早くカットできますが、なければ定規で測り、印をつけ、ハサミまたはカッターで切ります。
縦4 7/8インチ、横はレターサイズのままの11インチになっています。
スコアリングボード(使い方はこちら)に乗せ、4-Barサイズの短い辺(ここでは横の長さ)である3.5インチごとに(3.5インチ、7.0インチ、10.5インチの位置)スコアラインを入れます。
ペーパーの長さが11インチなので、右端の0.5インチは切り落とします。
この時、3.5インチきっかりではなく、それよりちょっぴり狭めにカット。1/8インチ弱、ほんの2mmくらい狭くしてカットします。
この微妙なサイズ調整のおかげで3つ折りにした時に内側に巻き込まれる部分がきっちり収まり、よりきれいに仕上がります。
小さい方のスクエアのダイをカードの表紙にバランスよく配置します。
この時、真ん中がゼロになっているセンタリングルーラーという定規があると便利です。
ずれないようにマスキングテープで留め、重なった3枚のペーパーを一気にダイカットします。カード本体はミニのサイドキックには入らないので、レギュラーサイズのマシンが必要です(使い方はこちら)。
一気にカットし、スクエアの窓になりました。
パーツの貼り付け方です。カードを開き、表紙部分の裏側が上を向くように置きます。
一番上にくるダイカットパーツを貼り付けます。ここでご注意。ダイカットパーツは、表を下に向けて伏せる形で貼り付けます。
のりづけは、表側です。細く出せるペン型ののりがあるとはみ出にくく、きれいに仕上がります。
窓枠に合わせ、貼り付けます。窓の方が若干小さいので、ピンクのペーパーがチラリと見えています。
2枚めのダイカットパーツも同様に表側ののりしろ部分にのりをつけて…
右側の窓枠に伏せるように貼り付けます。
3枚めのダイカットパーツを接着する前に、カード本体をひっくり返して表側(外側)が上になるように置き直します。
ダイカットパーツの表側ののりしろにのりをつけ、伏せるように真ん中の窓に貼り付けます。
これを巻き3つ折りにすると…
ケーキ、プレゼント、風船、バナーがレイヤーになった、バースデーパーティーのシーンが現れます。
スクエアのネスティングダイで作ったフレームを、窓枠のように貼り付けます。
カードの裏側にテープのりを引きます。
カード本体と同じサイズにカットしたペーパーを貼り付けます。
ここではカードと同じ色のペーパーを重ねましたが、別の色にしても、または柄入りのペーパーを使っても、より賑やかで可愛いバースデーカードになることでしょう。
「HAPPY BIRTHDAY」のフレーズをスタンプすれば(クリアスタンプの使い方はこちら)…
トリフォールドのレイヤーカードの完成です。
3つのデザインのダイでカットしたパーツを重ねてワンシーンを作り出す、ルッキンググラスダイ。昨年から気になっていたニューアイテムは、想像通りの優れものでした。本当にさまざまな使い方ができるので最初の1枚はどう仕上げようかと悩みましたが、トリフォールドでレイヤー感をフルに活かしたカードに大満足です。
ペーパーをパンフレットなどのように巻き3つ折りにする場合は、折り線をつけるスコアリングボードがあると測定やしるし付けが要らず、作りやすくなります。きちっと平らに重なるよう、内側に巻き込まれる部分はほんのちょっぴり狭くカットするのがトリフォールドカード作りのコツです。
3枚のダイを3色のカラーペーパーでカットしましたが、同じ色でモノトーン仕上げにしてもシンプルで良いでしょう。逆にマーカーや絵の具などでうんと色数を増やしてカラフルなカードにするのも名案です。
ダイカットを取り入れたペーパークラフトの楽しみがまたひとつ増えました。ルッキンググラスダイのシリーズには動物や昆虫、植物など、さまざまなデザインが揃っています。用途やシーンに合わせて選び、少し集めたいなと思っています。