レジストテクニックとウォーターカラーウォッシュのグラデーションカードの作り方
エンボスパウダーを振りかけて熱で定着させると、その部分は防水加工されます。防水、つまりインクや絵の具を弾くので、使うペーパー、パウダー、メディアの色によっては画像がふっと浮き上がるような印象に。この性質を利用したスタンプテクニックが、レジスト(resist)というものです。
アイルランドの祝日、聖パトリックの日(St. Patrick's Day)にちなんで、グリーンのウォーターカラーウォッシュでフレーズを浮き上がらせるエンボスレジストテクニックを使ったカードを作りました。
聖パトリックの日は、3月17日。アイルランドにおけるカトリック布教に貢献した聖人パトリックを讃えるお祭りです。アメリカは祝日ではありませんが、各地でイベントが行われます。私の住むサンディエゴでも、毎年3月17日にいちばん近い土曜日にパレードがあり、アイルランド系の人たちもそうでない人たちも、カトリック教徒もそうでない人たちも、皆グリーンの服を着てアイリッシュビールを飲んでお祝いします。
私はアメリカに来るまで聖パトリックの日の知識がなく、ある日登校したらクラスメートのほとんどが緑色の服やアクセサリを身に着けているのを見て不思議に思ったものでした。スーパーでは1週間位前からブリスケット(肩バラ)というコーンドビーフ向けの部位とキャベツがセールになり、アイルランドの国花でありカトリックの三位一体の象徴であるシャムロック(クローバー)の形のお菓子が出回るので、今では毎年忘れることはありません。
クローバーは素敵なモチーフですし、好きな色がグリーンという人も意外と多いので、時期だけ合わせて宗教的、歴史的な意味合いを持たないカード作りにもぜひ取り入れたいところ。緑の固形絵具のウォッシュ(お水たっぷりで塗る技法)と「lucky」というクローバーを連想させる言葉でさりげなく聖パトリックの日を意識したカードの作り方です。
編む、縫う、刺す、切る、貼る…ハンドメイドはどのジャンルも子どもの頃から大好きで、海外に移住した現在も身近な素材と簡単な方法を用いた手作りのある生活を楽しんでいます。長らくペーパークラフト一辺倒だったので、ただ今少しずつリハビリ中。毛糸や布に囲まれる暮らしの心地よさを改めて満喫しています。